about UCP GORE-TEX JACKET
雨の日が好きだ。いつもの景色が、違う場所に見えるからだ。問題は、いちいち濡れるわずらわしさ。靴のなかに水が入ったり、Tシャツがビショビショになったりするのは不快でしかない。それに、雨の日に限って荷物をたくさん持っていて、財布とか鍵とか、たいてい何かを紛失する。途中で晴れて、傘を置いてくるなんて日常茶飯事。だから、できるだけ手ぶらにして、カッパを着て出かけたい。そしたら、それがカバンがわりにもなってくれるから。
中田商店で買った米軍の実物のデッドストックのゴアテックスパーカ。UCPっていうもう廃止になったデジタルカモでできている。この迷彩は本気すぎて、なんか苦手だったんだけど、最新でもなんでもなくなって、懐かしささえ感じ始めたら、急に着たくなってきてしまった。ファッションは気分だ。
米軍で採用されていた当時は「コンクリート以外では迷彩効果があまりない」と言われていたみたいだけど、逆に言えばそれは、都会の街並みには馴染みがいいということ。まるで〈NEW BALANCE〉のグレーのようだ。そう言われてみれば、渋谷の街にも溶け込んでいるような気がする。似たような柄で、米空軍が使うタイガーストライプをデジタル化したようなABU(AIRMAN BATTLE UNIFORM)っていうのがあるけど、そっちよりもこっちの方が、柄がスッキリしている。
about 8 POCKETS PANTS
ただの軍パン。この何でもなさが、気張っていなくていい。だけど、こいつの生地は厚手のリップストップ。安いのにかなり頑丈そうだ。これこそ軍モノの魅力。各メーカーからいろいろなタイプが出ているけど〈TRU-SPEC〉は本格派。腿に付く両サイドのポケットには、フラップを閉めたままでも使える細長い裏ポケットが装備されている。日常生活で、何を入れるんだよって思うけど、なんかすごい感じがして、嬉しい。靴はゴアテックス仕様の〈CLARKS〉。雨の日もこれで楽しめる。
about ORGANIC COTTON QUICK DRY T-SHIRT
軍パンは、両腿に付く大きなサイドポケットがデザインポイントになってくれるから、ブランクTを合わせるだけで、いい感じ。プリントはあってもいいけど、特にいらない。ただの無地で十分だ。
これは、アメリカ物の2XLに相当するサイズで作ったオーガニックコットンの吸湿速乾Tシャツ。デザインに関わっている〈THE UNION〉の牧田耕平くん自ら、糸の紡績工場や編み立て工場まで足を運び、ヘビーオンスだけど柔らかく仕上げられている。良質なコットンから作った28番手という細い糸を2本を引き揃えにして、14番手相当の太い糸のように仕立てることで、肌触りは良いけど、まぁまぁ重量感のある生地に編み立てることができたそう。厚さは9オンス。その割には軽く、着込むほどに柔らかくなるという。僕はいつも乾燥機にかけているから、モチっとしつつも若干、目が詰まってきてしまったように思う。フワッとしつつも少しギシッとした感じはなんか面白い。それに、オーガニックコットンで、ここまでボリュームのあるTシャツは、他にはきっとないだろう。