モデル:175cm
中に着た〈L.L.BEAN〉コットンタートルネックTシャツ SIZE:XXL ¥3,900+TAX(L.L.BEAN カスタマーサービスセンター)、〈LOS ANGELES APPAREL〉ガーメントダイヘビーフリーススエットパンツ SIZE:XL ¥9,800+TAX(LOS ANGELES APPAREL JAPAN) 、〈A.H+CHICSTOCKS〉ウォッシャブルメリノウールソックス¥2,400+TAX(ノーデザイン)、〈Polo Ralph Lauren〉ニットキャップ ¥8,000+TAX(Ralph Lauren)、〈CLARKS ORIGINALS+BEAMS〉GORE-TEX®︎スエードのブーツ「Desert Rock」¥29,000+TAX(ビームス 原宿)、手に持った〈Carhartt〉00年代のユーズドのサーマルライナーダックジャケット¥15,800+TAX(upperupper)、〈LIFE WEAR〉のスエットフーディは私物
フイナム:年内最後の更新となりました。
長谷川:今回はスエットのセットアップについて話そうかな。いろいろ探してるんだけど、いい感じのスエットのセットアップがなくてさ。けど、スエット、フーディそのものでいえば、弓削さんのスエットで使われてた〈ライフウェア〉があるじゃない? これが着てみるとめちゃくちゃいいんだよ。
フイナム:うん、いいですよね。
長谷川:これ一枚で出かけられるくらい、すごいあったかいしさ。最高だよ。ゴワッとした感触もアメリカっぽくてすごくいい。ただこれ、パンツがないんだよね。で、いろいろ探してたら〈ロサンゼルスアパレル〉も結構肉厚でいい感じでさ。コッチはパンツもあるから、セットアップで買って。人気すぎてあんまりサイズがないから少し小さいのを買ったの。
フイナム:パンツのサイズはXLですね。
長谷川:そう。それしか手に入らなくて。で、トップスを〈ライフウェア〉のXXLにして合わせてみたら、これが意外と合ったんだ。違うブランドなのに。
フイナム:はい、ぴったりです。
長谷川:よく見ると、〈ライフウェア〉の方は縦に霜が降ってあって、〈ロサンゼルスアパレル〉の方は横に霜が降ってあるんだよね。目が違うっていう。言われなきゃ気付かないレベルだけどね。
フイナム:たしかに。
長谷川:色のトーンがかなり似てるよね。杢も色々あるから昔から俺もかなりの量をコレクションしてるんだよね。ほとんどがアメリカもの。で、5年くらい前に中川くんが白杢に注目しててさ。そう言う目で見てたら、なんか俺も白杢着たくなってきてさ、それ以来、この“白杢”を見ると反応してしまうんだよね。アメリカの白杢。
フイナム:白杢! たしかにもはやグレーではないですもんね。
長谷川:白無垢みたいなね(笑)。冬の白ってなんかいいなって思ってさ。このとき履いてるような、濃い色の靴にも映えるよね。
フイナム:冬に白、スキッとしてていいかもしれません。あと思ったのはスエットのセットアップなのに、全然だらしなく見えないですよね。
〈LOS ANGELES APPAREL〉ガーメントダイヘビーフリーススエットパンツ SIZE:XL ¥9,800+TAX(LOS ANGELES APPAREL JAPAN)、〈CLARKS ORIGINALS+BEAMS〉GORE-TEX®︎スエードのブーツ「Desert Rock」¥29,000+TAX(ビームス 原宿)
長谷川:最近スエットがすごい人気っぽいね。周りの友達もみんな着てるし、履いてる。
フイナム:とくに下ですよね。
長谷川:そう、パンツが人気だね。コロナの影響なのかわかんないんし、示し合わせているわけではないんだろうけど、みんななんとなくそういう格好に興味があるっぽい。俺も、最近でこそまともな服を着てるけど、昔はジャージとかスエットのセットアップしか着てなかったからね(笑)。
フイナム:最近、長谷川さんを知った人からしたら、意外かもしれません。
長谷川:だからなんかちょっと懐かしくていいなっていう気持ちで、また最近着てる。やっぱりいいよね。今の時代には本当に合ってる。
フイナム:〈ダイワ ピア39〉のスエットもすごく売れてるみたいですし、そういう流れがあるんでしょうね。
長谷川:そうそう、洗えるしさ。今の時代って、ちゃんとした格好をしてどこかに行くっていう気分ではないんだろうね。カジュアルな服装でどこにでも行けてしまうから。そういう意味ではスエットでオッケーな時代になったよね。カジュアル化がかなり進んでる。これで行けないお店なんてないっていうか。〈エルメス〉のお店に行くときですら大丈夫だと思うよ。店員さんもそんなに気にしないはず。
フイナム:そうなんですよね。トップスはわりとみんな着てたと思いますけど、とくにパンツの立ち位置は変わったような気がします。
長谷川:スエットなんかで、っていう風に思われることもあったと思うけど、むしろそういうものを受け入れられない人の方がどうかしてる。
フイナム:あとはこのセットアップの感じですよね。懐かしいけど、新しいというか。
長谷川:定着したよね。だからコロナ時代の普通なんじゃないかな。
フイナム:こういうスエットって、いろんなブランドから出てるんですかね?
長谷川:いや、そうでもないかな。やっぱり基本的にはこういうアメカジブランドが多いと思う。あとこのへんは価格帯的にもちょうどいいよね。スタイルとしても価格帯としてもちょうどいいし、ブランドとしてのあり方もこういうアメリカブランドの方がちょうどいい気がする。これをハイブランドとかがやり始めると、どうなんだろう。。うーん、ないこともないのかな。。
フイナム:出てきてもおかしくはないですよね。
長谷川:けど俺はやっぱりこれくらいの価格帯で、こういう立ち位置のブランドが好きだな。あと、日本の男の子ってこういうのが好きなんじゃないかな、なんとなく。
フイナム:そうですね。今思い出しましたけど、僕たちも注目してる〈スポーティ&リッチ〉もスエットのセットアップっていうスタイルですよね。
長谷川:そうそう、ああいうことだよね。けど〈スポーティ&リッチ〉はスエットをさらに現代的な解釈でやってるよね。おそらくアメリカだと、ああいう見せ方をしないとファッションとして受け入れられないんだと思う。日本人はもっと前からスエットをファッションとして受け入れてるからね。
フイナム:たしかに。
長谷川:いずれにしても、最近はこれくらいのカジュアルさのものが着たいってなってるんだと思う。
フイナム:それはありますね。
長谷川:今って、いろんなカルチャーがミックスされてるから、スタイルっていうものが、打ち出しにくいと思う。なんかコスプレみたいになっちゃうじゃない? だからよりカンファタブルなものに向かっていくというか。そうなると、いろんなスタイルがあったとしても、こういうアイテムに集約されていってしまう気がするんだよね。
長谷川:それにしても〈ライフウェア〉がすごくいいね。もちろん〈ロサンゼルスアパレル〉もいいんだけどさ。〈ロサンゼルスアパレル〉の方は、今やかなり定着してきてるよね。ジャパン社が最近できたみたいだし。お店もできたんだよね?
フイナム:はい。フイナムでもNEWSを掲載しました。
長谷川:お店ができたの、一昨日くらいに知ってさ。そこで借りればよかったよ(笑)。
フイナム:このムードだと、〈ロサンゼルスアパレル〉すごく売れそうですね。
長谷川:〈ロサンゼルスアパレル〉って、タグに人の顔がプリントされてるよね。あれ、おそらく生産した人の顔だよね(笑)。
フイナム:いますね、おじさんが。
長谷川:おばさんもいるよ(笑)。面白いよね。
フイナム:野菜みたいになってきましたね、なんか。
長谷川:すごくアメアパっぽい発想だよね。アメアパすごく好きだったな。ああいうベーシックなものはやっぱりいいよね。ベーシックなものが、いろんなスタイルの人のなかに溶け込んでいくというか。服なんて結局、物質でしかないでしょ。それがいろんな人のいろいろなスタイルに収まっていくんだけど、物自体は共通で、常にただの物でしかないっていうところがいいなって思う。
フイナム:前にこういうボディを作ろうとしてる、みたいな話をしてましたよね。
長谷川:そうそう。今いろいろやってる途中。けど難しいね。ボディ作るのは俺の仕事じゃないなって思う。誰かが作ったものを、いいとか悪いとかって言ってる方がいいかな。
フイナム:なるほど(笑)。
長谷川:あまりにも自由でなんでもできるってなると、どうしていいかわからなくなるんだよね。ボディだしある程度、数を売らないとって考えると、俺の体型とか好みだとこういうのがいいけど、これが好きなのは俺だしな、、とかさ。背が大きい人だと、当然丈が足りなくなったりするし、本当難しいんだよね。
フイナム:たしかに。ボディって考えると、汎用性が大事ですもんね。
長谷川:そう。グレーディングが難しい。
フイナム:個性的な形って作りづらいですよね。だからこそ、ちょっと大きいとか、面白いフォルムのボディがあると、ファッション好きな人はみんなこぞって買うんでしょうね。
長谷川:あとは日本の気候だと、生地感にそこまでの変化を出せないのかなって思う。〈ライフウェア〉とかだと、東海岸向けに作ってる感じがする。だからものすごいゴツいし、分厚いんだよね。
フイナム:ペンシルヴァニア州ですからね。
〈Carhartt〉00年代のユーズドのサーマルライナーダックジャケット¥15,800+TAX(upperupper)
長谷川:アウターはなんでも合うんだけど、ブルゾン丈がいいんじゃないかなって。これは5XLかな?
フイナム:5XLって(笑)。
長谷川:けど、そこまで大きく見えないでしょ。
フイナム:そうですね。わりと自然な感じに見えます。
長谷川:本当はこういうスタイルに〈ティンバーランド〉の6インチブーツの黒なんかを合わせるといいかなって思ったんだけど、ちょっとベタに90sストリートすぎるかなと思って、今回は〈クラークス〉にしてみたんだよね。
フイナム:たしかに6インチブーツもいいですね。
長谷川:ちなみにこの〈クラークス〉は「ビームス」が別注した湾岸戦争モデル。コマンドソールで、けっこうがっちりしてるモデルなんだけど、今の時代はそこまでがっちりしてるものよりは、少しだけ華奢くらいな感じが今っぽいのかなって。
フイナム:黒のティンバーは『ウオモ』の連載ページで使ってましたよね。あのスタイリングよかったです。
長谷川:あー、そうだね。だからスタイルによるのかも。今回のモデルのひょうくんのようなスタイルで、6インチブーツを合わせると、ストリートっぽくなりすぎちゃうけど、『ウオモ』のモデルくらい感じの着方だったら、そんなにヒップホップっぽくなりすぎないし。
フイナム:モデルさんの年齢にもよるのかもしれません。雰囲気とか。40代くらいの方が、すごく高級なブーツとかではなくて、6インチブーツみたいなカジュアルなブーツを合わせるくらいがちょうどいいというか。
長谷川:そうだね。そういうところも今の時代っぽいよね。昔はもう少し大人はラグジュアリーに、みたいな雰囲気もあったし。そういうラグジュアリーなアイテムをカジュアルに見せるみたいな。けど、今はそこまでしなくてもっていう感じはあるね。
長谷川:そして今年も柴又の「やぶ忠」でしめるっていう。
フイナム:いいお店ですよね、本当に。
長谷川:最近こういうお店に行ってなかったから、けっこう衝撃だったんだよね。
フイナム:クラシックというか。
長谷川:そうそう。昭和というかさ。
フイナム:置物めちゃくちゃあるみたいな。
長谷川:謎だよね(笑)。
フイナム:今回のモデル、ひょうくんはどう思うんでしょうね。僕たちくらいの年代だと落ち着くじゃないですか。
長谷川:なんか安心できるよね。あとここって、そばが出てくるのめちゃくちゃ早いよね(笑)。
フイナム:たしかに。
長谷川:そば屋って、もっと少なくて高いっていうお店もあるけど、ここは量も多いしね。普通のお店の倍くらいあるんじゃない?
フイナム:ですね。
長谷川:こう見えて大盛りで、天ぷらまで付けてもこの値段だもん。
フイナム:良心的ですよね。
長谷川:今年は初詣も制約がありそうだよね。けど、「やぶ忠」はお正月もやってるだろうから、そばだけ食べるのもいいんじゃないかな。年明け1月は少しゆっくりして、1ヶ月くらい休もうかな。
フイナム:はい。みなさま、来年もどうぞよろしくお願いいたします。