AKIO HASEGAWA. HOUYHNHNM

2022.7.29 Up
Style of Authentic

普通の服、
普通のスタイル。

Case 82
由比ヶ浜とブローシャー。その4
鎌倉で立ち飲みも、いいものだ。
行くならVANAVASA。
鎌倉産のヨロッコビールを
いただくのだ!

about VANAVASA

まずはメニューを見て、飲みたいビールを決めよう。どれも美味しいのだけど、僕のおすすめは、鎌倉名物ヨロッコビール!

早めに仕事を終わらせて、一杯飲む楽しさは、きっと全世界みな同じだろう。ロンドン、NY、ベルリン、ミラノ、どこだってみんな、夕暮れのそのひとときを楽しんでいる。

特に夏の夕方は日が長いから、一番気持ちがいい。中でも一番ワクワクするのは、外で立って飲む場合。これは間違いなく、美味い。そう思うと、ロンドンのひとたちが、店に誰一人入らず、パブの外で立って飲む気持ちは、物凄くよくわかる。それは鎌倉のこの店にも通じそうだ。ここは駅から歩いてすぐにある「VANAVASA」。ビールの量り売りを通じて、地域コミュニティを活性化させたいという思いから生まれたボトルショップで、いつも地元の人たちで賑わっている。常時100種類くらいのボトルビールにくわえ、4種類のタップを揃えている。なかには希少なタップもあり、人気のは1日でなくなってしまう。まずは中に入って、ボードに書いてあるメニューから好きなのを選び、外で飲もう。僕は1パイントかその半分のハーフか選ぶときに、大抵はハーフをオーダーするのだけど、結局そのあともう一回ハーフを頼むから、始めからパイントにしたいといつも思う。なんて思いながら、この日もハーフを頼むのだった。。

ここのお店では、グラスで飲むこともできるけど、こうしてグラウラーに入れて、持ち帰ることもできる。これは過去に販売してソールドアウトした鎌倉在住のイラストレーター、花井祐介先生とのコラボレーションモデル。ベースにした〈DRINKTANKS〉のセッショングラウラー(SESSION GROWLER)は、容量は32oz(0.94リットル)で、保冷時間は24時間。通常モデルは¥5,900。

ビールを持ち運ぶために詰め替える容器であるグラウラー。クラフトビールが盛んなアメリカではビールの量り売り文化が定着しており、グラウラーステーションという量り売りの専門店まであるほど。「VANAVASA」では量り売りをやっているから、グラウラーを一緒に購入することができる。これは〈DRINKTANKS〉というアメリカ・オレゴン州生まれのグラウラー専門ブランドのもの。ビールを冷たいまま、かつフレッシュで炭酸が抜けない状態を保つために、研究と開発に2年を費やし生み出されたグラウラー。こうしてイラストが入るとますます欲しくなってしまうけど、このモデルはすでにソールドアウトしてしまっている。残念。

about YOROCCO BEER

鎌倉のクラフトビールブルワリー、〈YOROCCO BEER〉から出ている限定の缶ビール。〈YOROCCO BEER〉『LOCAL’S BACKYARD 2022』¥580(YOROCCO BEER)

鎌倉のクラフトビールブルワリー、〈YOROCCO BEER〉から限定でリリースされている缶ビール。シルバーの缶にブルーのラベルが気持ちよくて、ジャケ買いしてしまった。中身はベルギーで古くから伝わる小麦ビールの製法をお手本にした、ヨロッコ流のベルジャンウィットだそう。ショーツは、〈PATAGONIA〉のバギーズショーツ。1982年に誕生した伝統的なアイテムであり、ロングセラーな逸品で、夏のベーシック。ポケットには、テニスボールが片方に2個入るように作られていて、缶ビールも片方に2本は入る。

about OFUNAKEN SANDWICH

明治32年(1899年)に、日本で初めて、駅弁として販売されたサンドイッチ。イギリスの文化がより社会に広がり始めたのがこの頃なのだろう。質素でクラシックな見た目だけど、コンビニで売ってるチープなそれとは違って、計算された味がある。鎌倉駅上りホームに売店がある。〈OFUNAKEN〉SANDWICH ¥530(大船軒)

鎌倉ハムとマスタードのサンドイッチが4つ、チーズを挟んだサンドイッチが2つ入っているサンドイッチボックス。かなりクラシックで質素なのだが、これがなかなかシンプルイズザベスト。このハムは当初、海外から輸入してたそうだが、ウイリアム・カーチスというイギリス人が、1874(明治7)年に現在の戸塚辺りでホテルを創業し、裏手に牧場を作り、そこで牛乳やバターの他、ハムの製造も始めたことから、初代オーナーの富岡周蔵がそれを使用していた時期もあったという。後にその技術を導入し、ハムを自社生産するようになり、やがてはハム製造部門を独立させ「鎌倉ハム富岡商会」が設立されたという。そんな歴史を感じながら食べるこのシンプルサンドは、奥深くて美味い。

about CAP

ブランド名の通り、小冊子のグラフィックを刺繍したキャップ。小冊子というよりも、図鑑レベルの分厚さ!?NAVYは〈BROCHURE〉のオンライン用のカラー。〈BROCHURE+ALLWAYTH〉B.D CAP ¥6,600(BROCHURE)

〈NAUTICA〉3PACK SOCKS ¥2,145(NAUTICA JAPAN)、〈VANS+SSZ+A.H〉CHUKKA ¥17,600(BEAMS HARAJUKU)

about T-SHIRT

東京のストリートのグラフィックデザインを牛耳るAEVIL先輩による〈BROCHURE〉のプリントT。キャップ同様、ブランド名の小冊子をイメージしたグラフィックが背面に。先輩の作るグラフィックは、いつも「何か気になる感じ」。紙にデザインするのとは訳が違う、洋服におけるグラフィックデザインは、着た時にカッコよく見えるかが大事。それが得意なファッションデザイナーが、東京には何人かいて、その人たちが世界のファッションを変えてきた。先輩はその中の1人。気になる洋服のグラフィックがあったら、そのうちのいくつかは先輩によるものかもしれない。〈BROCHURE+ALLWAYTH〉T-SHIRT ¥7,260(BROCHURE)

about SHORTS

リサイクルされた漁網を使用し海洋プラスチック汚染の削減に貢献する、ネットプラス・ポストコンシューマーリサイクル・ナイロン100%素材を使用。フェアトレード・サーティファイドの縫製を採用。〈PATAGONIA〉BAGGIES SHORTS ¥7,920(PATAGONIA)

機能性があってシンプルなデザインのパンツっていうのは、ありそうでいて、意外と少ない。パッと思いつくのは3つか4つ。そのうちの一つがこの〈PATAGONIA〉のバギーズショーツ。創設者であるイヴォン・シュイナードが指示し、テニスボールが2個入るように設計されているという。そんな噂を聞いて、ずいぶん昔に好きになった。オーナー本人が指示し、しかもその内容が、ポケットにテニスボールを二つ。なんてカッコいい話だろうと思った。

僕はポケットに、ケータイや財布などほとんど全てを入れている。さらには大抵、手も入れている。だから、手が入れられないとか、大して荷物が入らないとか、簡単に破れるとか、そんなパンツは役立たずだし、意味がわからない。それくらいポケットは重要なのだ。でも世の中の多くの男性はそんなことじゃないだろうか。バギーショーツは、そうしたポケットを大事にしている多くの男性を虜にしているだろう。メッシュのインナーも付いているからスイムショーツとして認識されることが多いだろうけど、プールや海に行かなくても、はたまた、アウトドアをしなくても、シティで穿いても快適だし、違和感がない。だから持っていた方がいい。いや、持っていない方がおかしい。それくらい、ベーシックで、便利なアイテム。さらにここ最近は、環境に配慮して、素材をアップデート。リサイクルされた漁網を使用し、海洋プラスチック汚染の削減に貢献している。機能的でありながら、常に最新でシンプル。だけどクラシックなパンツなのだ。

VANAVASA
住所:神奈川県鎌倉市御成町 2-9 1B
電話:0467-73-7067
営業:12:00~20:00(日曜12:00〜18:00)
定休日:8月15日(月)〜8月19日(金)
Instagram:@vanavasa_kamakura

INFORMATION

BROCHURE Instagram:@brochure_official
YOROCCO BEER Instagram:@yorocco_beer
大船軒 www.ofunaken.co.jp
NAUTICA JAPAN nautica.jp
Instagram:@nautica.jp
BEAMS HARAJUKU 03-3470-3947 www.beams.co.jp
PATAGONIA www.patagonia.jp

STAFF

Direction&Styling&Text_Akio Hasegawa
Photo_Seishi Shirakawa
Hair_Kenichi Yaguchi
Composition_Shigeru Nakagawa
Edit_Ryo Komuta、Shun Koda

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