AKIO HASEGAWA. HOUYHNHNM

2021.10.14 Up
Style of Authentic

普通の服、
普通のスタイル。

Case 62
古着のカーハートと
下北沢のマスタードホテル。
東京で古着といえば、下北沢か高円寺。
だいたい、そういうことになっている。
僕の家や職場から近くはないから、年に数回しか行く機会はない。
だからこそ毎回、衝撃があって楽しいのだ。

about MUSTARD™ HOTEL

〈CARHARTT〉VINTAGE DUCK JACKET「MICHIGAN COAT」 ¥8,800(DESERT SNOW SHIMOKITAZAWA 4TH), 〈PAJA STUDIO + mocT + AH.H〉ACTION PAINTING SWEAT PANTS(NEON YELLOW SLAB FLEECE FABRIC)MocAH014 ¥30,800(mocT)

東京の下町に住む僕にとって、あまり馴染みのない街が、下北沢。でも、学生の頃はやたら行っていたし、嫌いなわけではない。気になる街だから年に何回かは出向く。久しぶりに出かけ、レコードショップに寄ったり、古着を漁った後、小田急線の線路跡にできた、噂の「reload」に行ってみた。するとドリンクを片手に階段に座って話し込む人だかりを見つけ、楽しそうだなと思ったら、そこは最近オープンした「MUSTERD™ HOTEL」だった。

マスタード色のルームキー。シンプル。

「JAZZY SPORT」がセレクトしたレコードをフロントで借りられ、全部屋に設置されたターンテーブルで聴く事ができるという。時間貸しもやっているというから、コロナ禍の今、何か新しい使い方ができそうで、良いなと思った。

フロントのすぐ横にあるコーナーで好きなのを選んで、部屋に持っていく事ができる。

about VINTAGE CARHARTT

〈CARHARTT〉は、使い込んで、色があせてからが本番。デカいサイズも揃う古着は、安くて手っ取り早い。〈CARHARTT〉VINTAGE DUCK JACKET「MICHIGAN COAT」¥8,800(DESERT SNOW SHIMOKITAZAWA 4TH)

たまたま入った「DESERT SNOW」という古着店で買ったのがこのジャケット。本物のワークウェアってやつは、普段着に欠かせない。なかでも〈CARHARTT〉はいつの時代でも、なんか好きだと思わせる、魅力に溢れている。何がいいのかって言うと、ダックと呼ばれるゴツゴツした生地。使い込むほどに味が出るから、実は買った直後よりも、数年着込んでからの方がカッコいい。だからヴィンテージを買うのは、ある意味正しいと思う。

この店には、いい感じの服が比較的安価で並んでいた。多少、自分らしくないデザインやサイズであっても、この価格だったら買ってみたい。そんな気持ちにさせてくれる。普通のサイズからデカいのまで陳列された風情は、昔、ブシュイックで入ったスリフトのようだった。

about BIG DENIM SHIRT

デニムシャツっていうのは、ウォーホールのように、ネクタイなんかをするのもカッコいい。いつかそう着たいと思い、あえてネックは、普通の人のサイズくらいまで小さくして、襟そのものは少し大きくしてもらった。新しい定番となってくれるといい。
〈BLUE BLUE〉DENIM WESTERN BIG SHIRT ¥27,500(BLUE BLUE KANDA)

洗い晒しのデニムシャツが今、またカッコ良い。と思いながらもう何年も経っているから、定番として誰か、いつでもどこでも買えるようにしてくれたらいいのに。と思っていたら、「HOLLYWOOD RANCH MARKET」が80年代からずっと作り続けている〈BLUE BLUE〉というブランドの伝説のデニムウエスタンシャツがあることを思い出した。90年代にはなかなか手に入れられないほど、人気だった。ただ、サイズが小さくて、ウエスタン故にタイトめに作られていたのだ。なので、既存のパターンを思い切って修正して、身幅はもちろん、カマ底も深くし、 3XLに相当するサイズまで作ってもらった。かなり大きめになったと思う。

about SWEAT PANTS

これは裏側にして履いている状態。表にすると、ワンポイントロゴが小さく入るだけの、普通のスエットパンツになる。

先週に引き続き、伊勢丹のイベントで売り残したスエットパンツを再販売する。今週は〈PAJA STUDIO〉の分。このスエットは、新内外綿という会社が、紡績から全て国内で作ったもの。アメリカ製のゴツゴツしたスエットとは違い、優しい肌触りを目指して、糸の精練を何度も繰り返し、4本の糸で1本の糸を撚っている。普通では考えられない、日本人ならではの丁寧な仕事の上に成り立っているアイテムだ。前者もいいけど、後者の良さもある。今週も先週同様、オンラインのみで再度販売することにした。買い逃した人は、是非。

このペイント汚れ風の加工は、〈PAJA STUDIO〉のみんなが、いつもの作業時に付く汚れをイメージして作っている。一点づつ、色や配置を替えているから、シルクプリントでありながら、同じものはこの世に存在しない。また、AH.Hのロゴは着込むほど味が出るように、クラック仕上げの塗料を使ってプリントしている。いつかそれが割れて、経年劣化する様を楽しめるだろう。今回の再販分は、最初からその風合いを出すために、僕が一度、洗濯をしている。だから少し割れているのもあるかもしれないけど、B品ではないのでご安心を。

かつてイギリス人は、スーツを仕立てる時、表は地味でクラシックな雰囲気にしながらも、裏側には派手な色の生地を使ってファッションを楽しんでいたという。日本人も、江戸時代、派手な着物が禁じられていたために、表は地味にしつつも、裏地にだけは派手な絵柄を使う「裏勝り」というものを密かに取り入れていた。80年代にはヤンキーも、学ランの裏地だけを紫色にしてみたり、龍の絵を描いてみたりして、不良生活をエンジョイしていた。男のおしゃれは常に、裏で遊ぶのが、「粋」なのだ。

about LEATHER SHOPPING BAG

〈MALCOLM GUERRE + INTERNATIONAL GALLERY BEAMS〉LEATHER SHOPPING BAG ¥41,800(INTERNATIONAL GALLERY BEAMS)

こないだ、〈BEAMS〉のプレスルームにて、一番衝撃を受けたのがこのバッグ。ショッパーという、どんな人が持っていても自然なバッグをレザーに置き換えているから、持ってみると当然、普通。でも「INTERNATIONAL GALLERY BEAMS」というファッション性の高い店のイメージも交差して、だいぶ作為的に見えなくもない。だからよく見てみると、どこか違和感がある。そんな不思議な存在感に、ジワジワやられたのだった。

MUSTARD™ HOTEL SHIMOKITAZAWA
住所:東京都世田谷区北沢3-9-19
電話:03-6407-9077
mustardhotel.com/shimokitazawa/
Instagram:@mustardhotel

▼PAJA STUDIO + mocT + AH.Hのアイテムの再販売について

「ACTION PAINTING SWEAT PANTS」
表面は白杢1種、裏面は白杢orイエローネップの2種になります。それぞれ価格が異なります。

■購入方法
・購入を希望される方は、こちらから必要事項の記入の上、ご購入ください。
・今回はAH.Hファンクラブ会員以外の方でもお買い求めいただけます。
・10月14日(木)〜17日(日)23:59の期間で応募を受け付け、抽選にて販売を行います。※抽選結果は、当選者のみ数日以内にご連絡差し上げます。

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⁡ 1. ACTION PAINTING SWEAT PANTS
(NEON YELLOW SLAB FLEECE FABRIC)MocAH014 ¥30,800
【表:白杢 裏:イエローネップ】

2. ACTION PAINTING SWEAT PANTS
(WHITE HEATHER FLEECE FABRIC)MocAH016 ¥29,700
【表:白杢 裏:白杢】

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⁡ ■サイズ
SIZE:XXL( ウエスト幅 43cm、ヒップ58cm、 股上39cm、股下70cm、裾幅15cm)
※ワンサイズのみ

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■注意事項
・購入後のキャンセル、交換、返品は出来かねますのでご了承ください。
・記入漏れ、規定以外の応募があった場合は、購入を無効とさせていただきます。
・転売目的の方、転売の可能性があるとこちらがみなした場合には、販売を控えさせていただく場合がございます。 あらかじめご了承ください。

⁡ ■購入後の流れ
購入された方にはこちらからご連絡をさせていただきます。「UNSTOA」での販売となるため、同サイトへのご登録(無料)が必要となります。あらかじめご了承ください。

INFORMATION

DESERT SNOW Instagram:@desertsnow_shimokitazawa
BLUE BLUE KANDA 03-5577-7280
Instagram:@blue_blue_kanda
INTERNATIONAL GALLERY BEAMS 03-3470-3948
mocT www.moct-gr7.com

STAFF

Direction&Styling&Text_Akio Hasegawa
Photo_Seishi Shirakawa
Hair_Kenichi Yaguchi
Composition_Shigeru Nakagawa
Edit_Ryo Komuta、Shun Koda

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