AKIO HASEGAWA. HOUYHNHNM

2021.7.1 Up
Style of Authentic

普通の服、
普通のスタイル。

Case 52
夏のワークウェアとチープシック。
本物が欲しい。偽物はいらない。でも、だからといって値段の張るものしか買わないってわけではない。チープでも本物はある。ワークウェア。アメリカのそれは、いつの時代もクールなのだ。

大量生産で作られているアメリカのワークウェアは、いつの時代もメンズファッションの世界で、一番かっこいい服。ストリートウェアの元祖でもあり、デイリーウェアの基本。安くて頑丈で、普通なデザインは、いつまでも着られるし、誰だって似合う。だから無理に似たような高い服を買わなくたっていい。チープなそれこそが、本物なのだ。

about ZIP UP WORK SHIRT

シャツの中には、タンクトップかTシャツを着たいのだけど、後者の場合は、前を閉めずに、開けて着たい。となると、ボタンよりもジッパーのほうが、見た目がスッキリしていい。これは〈RED KAP〉。化繊なんだけど、その安っぽさがアメリカンワークウェアの雰囲気を作り出す。実にクール。実際、安い。〈RED KAP〉ZIP UP BIG WORK SHIRT ¥8,250(PROPS STORE),〈NAUTICA〉A PACK OF 2 BIG T-SHIRT「2-PACK TEE」¥3,960(NAUTICA JAPAN),〈ACTUAL SOURCE BOOKS〉CAP「COMFY BOY」¥7,480(GALLERY COMMUNE)

夏は、結局、厚手の白いTシャツしか着ない。東京は、湿度が高いから、それ以外では不快だからだ。でも、というか、だからこそ、心のどこかで違う服も着たいとは思っている。シャツに憧れるのだ。思い浮かぶのはポロシャツ、開襟シャツ、ベースボールシャツ。90年代に見たいくつかの映画で、飲食店の店主はたいてい、白いシャツを雑に身に付けていた。そういうシーンが脳裏に焼き付いていて、夏になると思い出し、自分でも着てみたくなるのである。

〈RED KAP〉ZIP UP BIG WORK SHIRT ¥8,250(PROPS STORE),〈NAUTICA〉A PACK OF 2 BIG T-SHIRT「2-PACK TEE」¥3,960(NAUTICA JAPAN), 〈COOKMAN〉CHEF PANTS ¥5,390(BUDDYZ)〈ACTUAL SOURCE BOOKS〉CAP「COMFY BOY」¥7,480(GALLERY COMMUNE) ,〈ACTUAL SOURCE BOOKS〉SOCKS「BOOKS SOCKS」¥2,200 (GALLERY COMMUNE),〈PUMA〉SNEAKER 「SUEDE VTG」¥11,000(PUMA CUSTOMER SERVICE)

about CHEF PANTS

なぜかはわからないが、シェフパンツといえば、この派手なストライプ。これが定番の柄であり、普通なのである。〈COOKMAN〉CHEF PANTS ¥5,390(BUDDYZ) ,〈ACTUAL SOURCE BOOKS〉SOCKS「BOOKS SOCKS」¥2,200(GALLERY COMMUNE),〈PUMA〉SNEAKER 「SUEDE VTG」¥11,000(PUMA CUSTOMER SERVICE)

梅雨から夏、秋のはじめくらいまでの時期に相応しいのが、シェフパンツ。キッチンで働く人たちが身に着けているワークパンツだから、汗や雨でぬれても乾きが早いからだ。そして、頑丈。似たようなパンツはどこにでもあるだろうけど、買うなら絶対にワークウェアブランドのそれがいい。化繊のチープさと縫製のラフさ、シルエットなど、本物が放つ雰囲気は、ファッションブランドには絶対に作れない。おすすめはグリーン。かなり深めの色合いで、ネイビーの服とも相性がいい。

about SUEDE SNEAKERS

ソックスはキャップ同様、アメリカの小さな出版社が作っているもの。〈ACTUAL SOURCE BOOKS〉SOCKS「BOOKS SOCKS」¥2,200 (GALLERY COMMUNE),〈PUMA〉SNEAKER 「SUEDE VTG」¥11,000(PUMA CUSTOMER SERVICE)

シェフパンツの足元には、クラシックスタイルの〈ADIDAS〉のキャンパスや〈PUMA〉のスエードなんかが断然合う。時代が変化しても、このモデルはほとんどデザインが変わることなく、定番として発売され続けていて、もう何年も比較的安価なまま、値段が変わっていない。たぶん。少し前に発売されたこの色は、これまた雰囲気が良く、発売日に即買いしたほど気に入っている。どうも最近、こういうグリーンに惹かれてしまう。

about CAP

ボディに使われているのもアメリカのブランドのものらしい。ツバに固い芯を入れていないから、ポケットにも入って、夏にはすごく便利だと思った。〈ACTUAL SOURCE BOOKS〉CAP「COMFY BOY」¥7,480(GALLERY COMMUNE)

幡ヶ谷にあるギャラリー「COMMUNE」。奥のスペースでは、ZINEや写真集に並んで、洋服や小物もちょっとだけ置かれている。これはそこで購入した〈ACTUAL SOURCE BOOKS〉のキャップ。ひとつ前の写真に写っているソックスもここのもの。アメリカの小さな出版社のもので、どのアイテムもアパレルブランドを陵ぐ、いいデザインだ。

about ONE CUP OZEKI

〈OZEKI〉「ONE CUP OZEKI」¥239(OZEKI)

ファッションやアートは、今や生活の一部としてかなり浸透してきている。こんな時代に入るずいぶん昔の60年代から、ワンカップ大関は、ラベルのデザインを大事にしてきたという。2019年からはカップの裏ラベルにたなかみさきさんのアートワークを配し、コンビニで展開。テーマは「ありったけのふつうの幸せ」。6バージョンあるのだが、どれもかわいい。「普通」を標榜するAH.Hとのシンクロ率は100%。僕は少しづつ買って、集めている。

about AFTER DRINKING SUPPLEMENT

〈SUPALIV〉 ¥1,296(SUPALIV)

WEBマガジン『AWW』を作っているTOWNの2人は、あるとき、酒を飲んだ帰りにコンビニによると、これを買って3粒くれた。アルコール代謝をスムーズにするというサプリメントだという。何も知らない自分は、普通にもっとダサい見た目のドリンク剤を買うところだったが、おしゃれな彼女たちは、こんなときでもおしゃれを選べるのであった。

about GOLD KIHEI NECKLACE

〈GINZA TANAKA〉 K24 6CUT DOUBLE 60cm KIHEI NECKLESS AKIO’S OWN

喜平ネックレスは、男女ともに永遠に身に着けることができる、定番的なデザインのジュエリー。ワークウェアにも合うし、持っていて損はない。買うのなら、K24ゴールドのネックレス。当然、値段もするが、相場を見て売り買いすれば、洋服のように価値が半分以下になることはない。ジュエリーにおいて、ゴールドは加工のしやすさから、K10かK18が多いそうだけど、金は純度が高いほど、価値も高い。とは言え製作の難しさから、K24でネックレスを作っている会社はほとんどなく、ここくらいでしか手に入らないそうだ。

INFORMATION

PROPS STORE 03-3796-0960
NAUTICA JAPAN @nautica.jp
BUDDYZ www.cookman.jp
GALLERY COMMUNE www.ccommunee.com
PUMA CUSTOMER SERVICE 0120-125-150
OZEKI 0798-32-2016
SUPALIV www.supaliv.net
GINZA TANAKA 0120-556-826

STAFF

Direction&Styling&Text_Akio Hasegawa
Photo_Seishi Shirakawa
Hair_Kenichi Yaguchi
Edit_Ryo Komuta、Shun Koda

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