AKIO HASEGAWA. HOUYHNHNM

2020.9.3 Up
Style of Authentic

普通の服、普通のスタイル。

Case 32
夏をあきらめて。
昨日、表参道を歩いていると、死んだセミが転がっていて、知らずに蹴飛ばしてしまった。もう9月。だからといって、まだ肌寒くなることはない。プールも花火も満喫できぬまま、僕にも秋が訪れる。いつにも増して、2020年の夏は、あきらめしかなかった。

about STYLING

ショーツには長袖を合わせたい。スタイリングだけで言ったら、それが最もバランスがいい。でも実現できる季節は少ない。少し涼しくなってきた今、以前に販売したコットンセーターをそろそろ着てみてほしい。

今日合わせているのは〈ボーディ〉のシルクカシミヤのスエットシャツ。シルクの接触冷感機能を生かしているから、この日は灼熱だったけど「そんなに暑くないです」とモデルのケンジ。足元はハズしてビーサン。その方が、トップスは生きてくるし、夏を感じることができる。

BODHI“ビッグ”サマーシルクカシミヤスウェットシャツ(受注生産のみ)¥75,000+TAX(alpha PR)、〈FRUIT OF THE LOOM 〉中に着た2パックポケットTシャツ ¥5,000円+TAX(GEARISM) 、〈CYAARVO〉ビーチサンダル ¥2,000+TAX(シアーヴォ)、〈COLUMBIA KNIT〉コットンニットキャップ ¥1,800+TAX(パリス)、ショーツは私物

about “BIG” SUMMER SILK CASHMERE SWEATSHIRT
BODHIの “ビッグ”サマーシルクカシミヤスウェットシャツ

〈ボーディ〉の水谷くんに、どうしても見て欲しい物があると言われ、飲みに行った。せっかくだから、ちょうど気になっていた店に行ってみたら、そこが最高すぎて、、、というのはまた次回に。以前にも紹介したように、彼はカシミヤ製品だけで服を作りたくて、このブランドを始めた。「長谷川さんが好きだと思って」と一方的に作って持ってきてくれたのが、夏でも着られるスエットシャツだった。形は見ての通り、ビッグなルーズシルエット。カシミヤにシルクを混紡した高級素材でできている。それなのに、見た目はアメリカもののようなラフな雰囲気を持っている。そんな裏腹なところにシビれて、僕はその場でこれを購入した。かつて昭和天皇は、金無垢の眼鏡の上に塗装をして、金とわからないようにしてかけていたという。掛け心地の良さを自分では感じていたいが、見た目を派手にはしたくないという意図があったとか。また、ある財閥のお嬢様は、アクセサリーを一切身につけないそうだ。なぜなら、自分には看板があるから、それは蛇足なのだそう。大事なのは中身。外側は地味でいい。

BODHI“ビッグ”サマーシルクカシミヤスウェットシャツ(受注生産のみ)¥75,000+TAX(alpha PR)、〈FRUIT OF THE LOOM 〉中に着た2パックポケットTシャツ ¥5,000円+TAX(GEARISM)、〈COLUMBIA KNIT〉コットンニットキャップ ¥1,800+TAX(パリス)  

about BEACH SANDAL
CYAARVOのビーチサンダル

僕は街でサンダルを履かない。履いているときに限って、友達が喧嘩に巻き込まれたり、酔って蛍光灯を振り回す人に出くわした過去があるからだ。でも、密かにずっと憧れている。見た目だけで言ったら、このスタイルにはビーサンが絶対かっこいいからだ。なんなら、厚着になればなるほど、足元は軽くしたほうが美しい。だから僕は、アトリエにいる間だけはせめてサンダルで過ごしている。スリッパなんかよりも、断然履き心地がいい。これはスタイリスト仲間のマサルくんがやっているビーサンブランド。タイで生産して、鼻緒と土台をたくさんの色から選べるようにしてくれている。いろんな色や柄があってすごくいいんだけど、こんなものでさえ、ついつい地味な色ばかり選んでしまう自分がいるのであった。

CYAARVO〉ビーチサンダル ¥2,000+TAX(シアーヴォ)

INFORMATION

alpha PR 03-5413-3546
GEARISM grgb.stores.jp / @gearism_ist
cyaarvo 050-3592-0484 www.cyaarvo.com / @cyaarvo
パリス 03-3408-3713

STAFF

Direction&Styling&Text_Akio Hasegawa
Photo_Seishi Shirakawa
Hair_Kenichi Yaguchi
Edit_Ryo Komuta

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