AKIO HASEGAWA. HOUYHNHNM

2019.11.7 Up
Style of Authentic

普通の服、普通のスタイル。

Case 13
COAT, SHOELASE, AOR, HAT, RECORD, STYLING
いよいよ寒い日も増えてきて、どうやら秋が訪れたようだ。少し時間が空いたから、レコードを買いにいくことにした。暑すぎず、寒すぎず、気持ちのいい日だから、今日は、代々木上原まで歩いて向かうことにした。

about COAT

コートは〈コモリ〉デザイナーの小森さんが監修を務める「レショップ」のオリジナルレーベル〈LE〉のもの。昨年この店で販売した、あるオーセンティックなコートのデザインを元に小森さんらしくアレンジしたもの。とくに機能があるわけではないけど、こうしたなんでもないステンカラーコートはいつまでも着られる。実際、何十年も前の服がベースになっていて、去年も着られていたわけだから。15年くらい前から少し前まで細身の服が流行っていたけれども、その間もステンカラーコートは(細身ではあったけど)、世界中でずっと愛され続けてきた。この世に誕生して以来、廃れたことが一度もないかもしれない。ただ唯一言えることは、着たいフォルムはある時期を境に、なんとなく変わるということ。もうかれこれこの4~5年で、世の中のシルエットは、大きなフォルムへと移行してきている。細身のコートは過去のもの。こんなフォルムこそが今の時代の定番。だけど、デザインそのものは、シンプルでベーシックなほうがいい。

エルイー〉コットンギャバジンのコート SIZE:3 ¥60,000+TAX(レショップ)

about SHOELACE

靴紐はいつもの〈ヴィンセント シューレース〉。なぜいつも〈クラークス〉に付けているのかというと、ここの靴の多くはレースホールが少なくて、一瞬で紐を通せるから。今日はあえて片足だけ紐を替えてみた。両方揃えない「アシンメトリーの美学」という名の小さな冒険を、靴紐という小さな世界で自分だけが感じているのがなんか好きだ、というポエトリックな気持ちはなくもないが、実はこうしているのにはわけがある。その話はまた後ほど。

クラークス オリジナルズ〉ワラビーブーツ 参考商品(クラークス ジャパン) ※現行モデルとはソールの色、アッパーのエッジの素材等のディテールが異なります (クラークス ジャパン)、〈ヴィンセントシューレース〉シューレース「PAUL」¥2,000+TAX(ティファインメント)

about AOR

代々木上原までレコードを買いにやってきたのは「ADULT ORIENTED RECORDS (aka.AOR)」に来たかったから。実は最近、突然レコードにはまってしまったのだ。もう10年くらい前に買ったきり、押し入れにしまったままのポータブルターンテーブルを引っ張り出してきてレコードを聴いている。あんなことやこんなことのストレスがちょっと癒されて、昔買ったビートルズや山下達郎を聴いていたら、もっと欲しくなってしまったのだ。オーナーである弓削さんは、ヤマタツならぬユゲタツとしてコスプレしながらDJをするときがある。その姿を、南くんのインスタで見かけて以来、ずーっと気になっていた存在。どんなレコードがオススメか、弓削さんにも聞いてみようと思ってやってきた。

about HAT

実は最近、レコードを聞いているだけではなく、帽子も作っていた。というか作ってもらっている。大学の後輩である〈カムズアンドゴーズ〉の一歩と〈ディガウェル〉のニシムと。当初は、つい先月終わった「HNF~フイナムのフェス~」で販売する予定だった。だけど全然間に合わず。二度サンプルを作り直し、顎紐代わりに靴紐を使うアイディアが浮かんでは消えて「そうだ、〈ヴィンセント シューレース〉にお願いしよう!」と思いついて、やっと今日できあがり。顎紐は垂らしているとなんかいい感じだし、風が強い時には留めておくと便利。この紐の片足が、〈クラークス〉に結んであったのだ。きちんとしたいときは、外して両方、靴につければいい。こうした遊びができるのは、この帽子そのものが、なんでもないミリタリーハットがベースになっているから。なかなか完璧。ただ、ここまでできておきながら、やっぱりもう少しいろいろ実験してから発売しようと思い直し、一旦ストップ。少しアレンジしてやり直し!

about RECORD

弓削さんに「初心者向けのオススメのヤマタツってないですか?」って聞いて薦められたのが『BIG WAVE』。どうやらサントラみたい。もう一枚は、弓削さんがプロデュースし、店名と同名のレーベルで製作したアルバム『PACIFIC SKETCHES』。訪れた日にリリースされたというこのレコード盤はジャケットと同じピンク色。「昔は色がついてると音が良くなかったんだけど、今は結構いいんだよね」とのこと。レコードってやつは、まずジャケットがデカい。ここまで大きな写真やグラフィックデザインをマジマジと見る機会は雑誌を見るときですら、なかなかないだろう。知っているアーティストのジャケットのかっこよさに惹かれ、家でデザインを見ながら聴く。あーでもないこーでもないって言いながら過ごす時間はいいもんだ。

〈フィッシャープライス〉ビンテージのポータブルカセットプレイヤー ¥25,000+TAX、〈山下達郎〉中古12inchレコード『BigWave』は「アダルト オリエンテッド レコーズ」で購入した私物、〈Naive Super〉12inchレコード『PACIFIC SKETCHES』¥2,500+TAX(すべてアダルト オリエンテッド レコーズ

about STYLING

早く帰って聴きたい。そんなワクワクした気持ちにさせてくれるレコードってやつは偉大だ。白いショッパーに描かれたエメラルドグリーンの店名が、その気持ちを増幅させる。ステンカラーコートのベージュにも、なんか合う。これを着るときは、ネイビーのボトムス。できれば濃いデニムがいい。いろいろあるなかで、これが最強の合わせだと思う。シルエットともに、最近のお気に入りはやっぱり〈ユニクロ ユー〉。なかに着ているのはウールのビッグタートルネックTシャツ。このことについてはまた今度。

エルイー〉コットンギャバジンのコート SIZE:3 ¥60,000+TAX(レショップ)、〈ユニクロ ユー〉ワイドテーパードのデニムパンツ SIZE:36 ¥3,990+TAX (ユニクロ)、〈クラークス オリジナルズ〉ワラビーブーツ 参考商品(クラークス ジャパン) ※現行モデルとはソールの色、アッパーのエッジの素材等のディテールが異なります (クラークス ジャパン)、〈Naive Super〉12inchレコード『PACIFIC SKETCHES』¥2,500+TAX(アダルト オリエンテッド レコーズ)、〈スターバックス〉ステンレスタンブラー 容量:350ml ¥2,670+TAX(スターバックス)、タートルネック、ベルト、靴下は私物

INFORMATION

レショップ 03-5413-4714
クラークス ジャパン 03-5411-3055
ティファインメント vincentshoelace@gmail.com
アダルト オリエンテッド レコーズ 03-5738-2045
ユニクロ 0120-170-296
スターバックス 0120-336-388

STAFF

Direction&Styling&Text_Akio Hasegawa
Photo_Seishi Shirakawa
Hair_Kenichi Yaguchi
Edit_Ryo Komuta

CONTENTS

TAG SEARCH

ARCHIVES