フジロックに行った話をすると、誰もが意外だという反応をする。でも2001年くらいから2005年くらいまでは毎年行っていた。当時の友人とは最近あまり交流がなく、今となっては意外に思う人しか周りにはいないのかもしれない。当時は友人に音楽業界の人がいて、チケットやホテルなどいろいろと手配してもらえる環境があった。自分の車にたくさんの友人を乗せて、毎年通っていたけど、その後仕事が忙しくなったりで行かなくなった。でも、長いこと行かないと行きたくなってくる。今年はかなり無理をしてスケジュールを作り、日帰りで最終日に行ってきた。それは19年ぶりのフジロックだった。
CAHLUMN 2.5 LAYERING RAIN COAT
〈CAHLUMN〉を始めるときに、一番最初に作ったアウターがこの透湿防水コートだった。丈が長めで軽くて、晴れている日でも着られるような全天候型のコートを作りたかった。取り掛かったものの、あまり出来が良くなくてやり直して、やっとこれが完成した。2.5レイヤーの透湿防水生地は、軽くて薄くてペラペラで持ち運びにも嵩張らない。いつも外ロケが多く、雨でも撮影を決行する僕らには、この着丈の長さも重要だ。マウテンパーカーのような短い丈ではパンツがびしょびしょになってしまう。裾のリフレクターはミリタリーのコートをベースにしたヘルムート・ラングを思い出しながら作った。防水性のある靴を合わせれば、雨でもかなりいい感じ。
HYDRO FLASK BOTTLE
こうしたボトルを一時期はよく持ち歩いていた。でも最近では洗うのが億劫になり、持ち歩くことはほとんどなくなってしまった。ところがフジロックにはあった方が便利だという。新たに買い下ろして持って行ってみると使っている人はほとんどいなかった。ボトルのなかをきちんと洗うことができる環境がないからなのか。一方で、ナチュラルワインが全然売られていないから、ワインを入れて持って行ったらいいのかもしれない。香りを楽しめないから微妙だが。いずれにしても、冷たいコーヒーや紅茶をここに入れておくと、いつでもいい温度で飲めて最高なのだ。これを機に、またボトル生活を始めるのもいいかもしれない。
DIGITAL DESERT CAMOUFLAGE BOONIE HAT
ハットが好きでよく被る。同じようにキャップも好きなのだが、圧倒的にハットが多い。理由は、どんな服装にも合うからだ。フジロックのように炎天下で逃げ場のない環境では、ハットは必須。都会なら太陽の光を避けられる白が便利だけど、フジロックなら迷彩。いくら汚れても目立たないし、頑丈だから。昔もよく、チョコチップと呼ばれる砂漠用の迷彩で出かけた。今回は同じ砂漠でもデジタル迷彩。洗濯も簡単で、コンパクトに折りたためるパッカブル仕様。旅にも便利だ。
TIMBERLAND WP FIELD BOOTS
足元には何を選ぶか。そこが最も重要だ。まずタフであることと、汚れても気にならない靴であることが大事。フジロックの会場は雨になることも多い。そんなときには自然に帰ったような気分になれるサンダルを履く人も多いし、逆に長靴って人もいる。サンダルを履いている姿を見てると羨ましく思えるのだが、僕は履かない派だ。昔、サンダルで出かけたときに限って友達が喧嘩に絡まれたりした経験が何度かあって、サンダルにはいい思い出がないからだ。
その昔、フジロックに通っていたあの時代に何を履いていたのかあまり覚えていないのだが、〈NIKE〉のエアバーストか〈TIMBERLAND〉のイエローブーツか〈OAKLEY〉のミリタリーブーツだったような気がする。いずれにしてもスニーカー的なものだった記憶。今回は「TIMBERLAND WP FIELD BOOTS」。通称フィールドブーツと呼ばれるモデルで、WPとはウォータープルーフを意味している。ブーツでありながらもめちゃくちゃ軽くてスニーカー的な履き心地。そして防水。クオリティのわりに、比較的チープなプライス設定が優しい。さすがティンバーだ。ここの靴は全て高品質で買いやすい価格設定。このモデルにもイエローヌバックがあって、そっちもいい色なのでおすすめだ。
SNBYA.H WASHABLE MERINO WOOL T SHIRT
晴れていて風が強い日は、ホワイトステージあたりの砂埃がひどくて、お気に入りの白いTシャツがその後、一生洗っても落ちないくらい黄ばんでしまったことだけは、いつまで経っても忘れられない思い出。当時はよくシュマグと呼ばれるアフガンストールを、埃から口元を守るマスクがわりに巻いたり、日差しが強い日には頭に巻いたり、寒い日は身体に巻いたりして使っていた。なんせ山だから、ずっと外にいるといろいろな目にあって、意外と過酷なのだ。この日も実は常備していた。そんな環境でずっと過ごすのなら、Tシャツは絶対にウールがいい。汗をかいても雨で濡れてもすぐに乾いて快適で、ずっと着ていることができる最高の友達。ウォッシャブルメリノの糸を使っていれば、三日間着ていても体臭で服が臭くなることはない。
EYEVOL PLUS SUNGLASSES
夏の外出にサングラスは欠かせない。特にフジロックならなおさら。ただ、繊細な作りで扱いにくいから、ある程度は雑に扱えるタフさが欲しい。そうなるとスポーツブランドが最適だけど、未来的なデザインが多くなってしまう。できればクラシックで控えめな方が服を選ばなくていい。となるとサングラスは〈EYEVOL PLUS〉。〈EYEVOL〉の意思を受け継いで、スポーツやアウトドアシーンに向けたシリーズだから、デザイン、品質ともに間違いない。〈EYEVOL〉で使用している機能性に特化したパーツの「ノーズパット」「クリングスアーム」「パイプナット」「ネジ」「テンプルラバー」を取り除いて簡略化。複雑なテンプル形状、固定式のノーズラバーによってフィット感を持たせ、軽量化。アクティブな動きが多いシーンでも扱いやすくなっている。フレームのデザインはフレンチヴィンテージを意識した作り。同型でも2サイズ展開になっているため、顔の大きさに合わせて選べて多くの人にハマりやすい。細やかな配慮によって作られているところは日本ブランドならでは。他の国のプロダクトではあまり聞いたことのないきめ細やかな発想は、世界に誇りたい。ちなみにデザイン・設計・製造まで、全てがMADE IN JAPAN。
MONT-BELL POUCH
フジロックの会場には、できたら手ぶらで出かけたい。だからサイドポケットのある軍パンは最高。でもそれだけじゃ収まりきらない荷物は〈mont-bell〉のサコッシュへ。シンプルで軽くて撥水性もあるうえにチープなこのバッグは、お店に行けばいつでも買える、永遠の定番。サングラスやティッシュ、レインコートなんかを入れておこう。このサイズは使いやすい。