普通の服、
普通のスタイル。

スタイリストのMASAHが、すごく美味しいトースティの店があるから是非、食べてみて欲しいと連絡をくれた。トーストのことかな？ なんだろう？ということで行ってみた。
お店の人のオススメは、「マクベス」。羊の内臓を使ったホットサンドだ。「臭みが全然なくて、美味しいですよ」とのこと。でも、「んーどうかな。僕は、（興味がないから）いいです」。そう言って、違うものをオーダーした。が、撮影の日、試食してみたら、信じられないほど美味しかった。複雑な味わいで、今まで食べたことがないテイスト。そのとき「外国の味がして美味いんですよ」というMASAHの言葉をふと思い出した。そうか、あれはこういうことか。それ以上に説明しようがない、その味。食わず嫌いはよくない。ここのシグネチャーである所以がわかる、至極の逸品。

今くらいの季節になるとカーディガンを羽織ることに憧れる。いくつかのアメリカ映画で見た、それを雑に着ている姿が目に焼き付いているからだ。決まってその季節は秋。庭や公園でくつろいでいるシーンだった。意外といい感じのものに出会えないのだけど、これには惹かれた。しかもこの色。モヘアにネイビーなんてあるんだ、と思いながら。

モヘアのセーターってやつは、ずいぶん前に着ていた思い出がある。フワッとした感じがすごく好きで、数年間はずっと愛用していたのだけど、その後は存在も忘れるほど興味がなくなっていたし、手に取ることもなかった。のだが、突然また気になり始めた。ただ、これはアクリル100%。え!? と思ったけど、実はその方がいいのだと店の人は言う。本物のモヘアだと虫に喰われやすいし、洗ったら縮んでしまう。でもこの素材なら縮みにくいし、ガンガン洗えていつも清潔、というわけだ。なるほど、いつかヴィンテージを探してみたいと思いつつ、まずはこれを試してみようと思って買った。

このところ、チェックのシャツを探していた。ブロードとかではなく、もう少し毛羽立った、ネルみたいなラフなやつがいいなぁと思っていた。古着であるかと思いきや、なかなかいい感じのものには出会えなかった。もちろんサイズは大きい方がいい。小さいと、昔の人みたいになってしまうからだ。そんなところでこれに出会った。ダークトーンで、アウトドアブランドのシャツを思わせるようなシックな柄が気に入っている。無地に近いから、しっくり来た。

秋になったら秋らしい服を着たい。デザイナーの小森さんは「まだまだ暑いこの時期には、季節を感じることができて、薄くて軽い服を着たい。」という。シルクは接触冷感の機能があり、ウールは天然のエアコンと呼ばれるほど、温度調節機能がある。この二つの素材が組み合わさったシャツだから、今の時期にぴったり。手洗いモードなら、洗濯機で洗えるそう。

グレーのスエットパンツをたまに穿く。色は薄い方がいい。でも、同じグレーのスエット生地でも、トップスだけを使ってコーディネートするのは意外と難しい。だから僕は、あまりそれを着ない。あまりにも普通すぎて、一歩間違うとただのヤバいやつになるからだ。着るならセットアップ。もしくはバラして、パンツだけで組む。しかも、秋から冬の間だけしか、そうして穿くことはない。暗い色のアウターがトップスに来ないと、なんかバランスをとりにくいからだ。

このパンツは少し前に〈mocT〉と伊勢丹のイベントで販売した物。この度、再販売することになった。抽選販売で当選した人が、取りに来てくれず、行き場がなくなってしまったのだ。こういうことが最近、アパレル業界では多発しているとか。でも、欲しい人は他にもいるということで、オンラインで再販売することになった。アメリカ製とは違う、日本製ならではの柔らかなタッチを楽しもう。

「デニーズ」ではない。「ディーニーズ」。ダジャレでもパロディでもない。イギリスを発祥とするトーストサンドの名店だ。場所は千駄ヶ谷。外苑西通り沿いにある。ロンドンのとあるマーケットに屋台で出店していたサンドウィッチを、ここの店主が食べて感動し、日本での展開を相談したそうだ。日本ではあまり食べられない美味をぜひ味わって欲しい。