髪型ってやつは、迷い始めると難しい。そもそもどこに行って、どんな髪型にするのがいいのだろう? 美容室によっては変なパーマをかけてきたり、色を入れてきたり。。。似合っていればいいけど、美容室任せにした挙句に妙な髪型にされるのはなんか嫌だ。
普通でいいし、似合っていればいい。そもそも自分の髪質や髪の色、髪の量や顔型がベースになってくるのだから、それらをうまく整理しながら普通の髪型にしてもらえればそれでいい。
今回は、いつもモデルをやってくれているジュリアンの場合。彼の髪はいつも彼のお母さんが切っているという。今回はそれを「駿河台 矢口」の矢口くんがカット。普通でいて、品のある、ジュリアンらしい髪型になった。
「ジュリアンは直毛でサラサラだから、トップに丸みを出して自然で動きのある感じがいいと思ったんだ」と矢口くん。 愛用のハサミを手に、サクサクと切り進める。そのポイントは以下の通り。
1. 前髪の長さは、かき分けても扱いやすい目の下に設定
2. サイドから見たシルエットも意識して、後頭部まで丸みのあるフォルムを作る
3. 耳周りと襟足は重くならない程度に短く、スッキリと
4. 手櫛でとかしながら量感調整。イメージは秋風にフワッとなびく感じで
そうして完成したのが、このショートグラデーションボブ。いつの時代にもある、普遍的で清潔感あふれる髪型は、まるで白T。あるいは吉田栄作。誰が見ても嫌な印象がない。
「言わば、なんでもない普通の髪型なんだけど、バランスの良いシルエットに切ってあれば、キャップを脱いだって強い風が吹いたって手櫛で直せるんだ。“造って崩れる”。それぐらいの髪型が今の時代にはちょうどいいんじゃないかな。髪型にも普通のかっこよさってあると思う」
PROFILE
矢口憲一
1975年、東京生まれ。都内数店舗でのサロン勤務を経て1995年、小原康司氏に弟子入り。ヘアメイクを学び、小原氏が立ち上げたヘアサロン「traffic」に勤務。2018年、神田に自身のヘアサロン「駿河台 矢口」をオープン。撮影現場でのヘアメイクの傍ら、自身のサロンに立つ日々を送る。昨年末にオープンした2号店「富士見坂 矢口」では、シロダーラなるリラクゼーションメニューも提供する。@kenichi_yaguchi