AKIO HASEGAWA. HOUYHNHNM

2023.7.14 Up
Focus on

気になる服とか人とか。

Vol.49
セパバスとA.H。
長谷川さんとは古い友人である、現代美術家作家の加賀美健さんがディレクションするブランド〈セパバス(SEPARATE BATH & TOILET)〉。フイナムのこの対談をきっかけに、長谷川さんとコラボすることになりまして、あっという間に完成したアイテムについてのお話をお二人に伺いました。もちろん横道に逸れながら。

PROFILE

加賀美健

1974年生まれ。東京都出身。ドローイングや彫刻などの作品をリリースし、国内外問わず多数の美術展に出展。アパレルブランドとのコラボレートも積極的に行ない、自身が運営する代官山の「ストレンジストア」では、自作のTシャツなどグッズ類を展開している。2022年より〈セパバス〉をスタート。

長谷川昭雄

1975年生まれ。スタイリスト、ファッションディレクター。大学在学中に喜多尾祥之氏に師事した後、スタイリスト/ライターとして独立。2012年には、『POPEYE』をリニューアルさせ、2018年までファッションディレクターを務めた。2023年4月末から『CAULUMN』という新しいメディアをスタートさせたほか「andreM hoffwann」という自身のお店をオープン。

about SEPARATE BATH & TOILET

2022年よりスタート。ディレクターは現代美術作家の加賀美健。ちょいサステナブル。

フイナム:というわけで、お二人のコラボ商品が完成しました。コラボレーションの経緯は、フイナムのこの対談を見ていただければと。けっこうすぐにできましたね。

加賀美:まあ、一から作ってないからね。A.Hっていうロゴを書いてもらったのをプリントして、あとはハセガワくんが用意してくれたタグをくっつけたぐらいだから。

長谷川:そうだね。基本的にはインラインの服をちょっとアレンジしてて、あとは今回俺が組んだコーディネートをセットで販売するの。単品売りはなし。

フイナム:そうなんですね。

加賀美:そうそう、コーディネートで売るの。シャツの方は全部で2万9800円。シャツにパンツ、タオル、ベルト、靴下、缶バッジがセット。Tシャツの方はスウェットパンツとのセットアップで19800円。タオル、キャップ、靴下、マグカップ、缶バッジが付きます。

フイナム:それぞれセットになってるアイテムが微妙に違うのが面白いですね。

〈SEPARATE BATH & TOILET〉シャツ、パンツ、タオル、ベルト、靴下、缶バッジ ¥29,800(andreM hoffwann)※たけしの缶バッジ、スニーカー、サングラスは私物

長谷川:昔〈COMME des GARÇONS〉でこういうのがあったんだよね。〈COMME des GARÇONS HOMME HOMME〉っていうブランドが期間限定ショップで、セット売りをしてたの。たしかアウターもインナーもパンツも全部セットだった気がする。

加賀美:へー、そんなのあったんだ。

長谷川:それをなんか覚えてて、今回〈セパバス〉の服を見に行ったときに、スタイリストだし、セットで売る方が面白いかなって。実際、トータルで買ったらもっと高いんだよね。

加賀美:そうそう。それを結構無理に安くしてるの。

フイナム:たしかにアイテム数のわりに安いですよね。

加賀美:限界まで安くしてます。

長谷川:福袋みたいなね。

加賀美:各30セット。なくなっちゃったら終わり。

フイナム:それを今週の日曜に長谷川さんのお店「andreM hoffwann」で販売されると。

加賀美:そう。あとサイズはワンサイズです。ハセガワくん仕様で大きいの。シャツも1番でかいやつ。だからもうサイズ関係なしだね。欲しい人はダボダボで着るしかない。

長谷川:今回のビジュアルは、全部うちの店の近所で撮ったの。

加賀美:いやさすがだな、って思ったよ。これとか、水滴もスタイリングしてるからね。

長谷川:笑

加賀美:普通、水とかスタイリングしないじゃない。すごいよね。

長谷川:カップをどうしようかなって思って。で、水入れて走らせてみたの。

加賀美:あー、だからこぼれてるんだ。いいなぁ。

長谷川:今回うちのお店でポップアップやるから、本当はもっと(お店がある)鳥越らしさがわかる感じにしようかと思ってたんだけど、あんまりそっちに寄せると服が見えにくいなと思って。そしたら結局どこだかわかんない感じになった(笑)。

加賀美:いや、いいじゃん。

長谷川:オフィシャルの方はそんな感じなんだけど、「AH.H」の方はわりと場所がわかるような撮り方にして。

フイナム:このシャツ、とくにかっこいいですよね。往年のデザイナーズブランドのような香りがするというか。

加賀美:そうそう、80年代のね。なんか好きなんだよね、あの時代の感じが。スーツがでっかくて、シャツの襟がこんなに小さくて、ネクタイをギュッと閉めてる感じ。やべえなたけし、みたいな(笑)。

長谷川:わかる。YouTubeとかでさ、昔のたけしの服装とか髪型とか見ると、かっこいいよね。

加賀美:そうなんだよ。たけしってオシャレなんだよ、今見ると。昔はヤクザとかチンピラみたいな格好してるなって思ってたんけどね(笑)。

長谷川:Iとかを着てたって、聞いたことがある気がする。

フイナム:へぇ、御三家の。

加賀美:そうそう。テーパードのシワシワのパンツとか履いて、素足に革靴みたいな。

長谷川:なんとなくYのイメージがあるけどね。あと、今は〈LOEWE〉の広告に出てるよね。

加賀美:あぁ、ユルゲン・テラーが撮ってるやつね。

長谷川:そうなんだ。

〈SEPARATE BATH & TOILET〉Tシャツ、スウェットパンツ、タオル、キャップ、靴下、マグカップ、缶バッジ ¥19,800(andreM hoffwann)※スニーカー、サングラスは私物

フイナム:〈セパバス〉って加賀美さんに、まずお声がかかったんですよね。

加賀美:そう。それでブランドをやってみたいってこっちから言ったの。

フイナム:加賀美さん、結構たくさんのブランドと取り組みしてますけど、これはちょっと難しいかも、みたいなことってあるんですか?

加賀美:あんまりないけど、過去にはあったよ。だいたいこっちの方に引っ張り込めれば大丈夫かなって思うんだけど、一回これは潰されるなっていうのがあって(笑)。

フイナム:笑

加賀美:それはお断りしましたね。

長谷川:まぁたしかに加賀美くんのスタイルだと、どこでも馴染むよね。俺のやってるようなことだと、 なかなかそうはいかないっていうかさ。加賀美くんがやることは、面白いとかそういう落としどころがあるけど、俺がやってることは面白いわけじゃないからね(笑)。

加賀美:そうだね。まぁ俺にオファーをするぐらいだから、やっぱり覚悟してくるわけじゃない(笑)。これこれこういう感じにしてください、っていうのってこないから。

フイナム:〈セパバス〉見ててつくづく思うんですけど、加賀美さんみたいな方が服を作るのって、すごく面白いなと思います。

加賀美:そう? これも結局アートだと思ってやってるんだよね。お店(STRANGE STORE)も作品だし、今回みたいにハセガワくんをフィーチャーしてやることも全部作品というか、パフォーマンスとしてやってる。

フイナム:なるほど。

加賀美:何をやってもパフォーマンスって言えるから、ある意味卑怯っちゃ卑怯なんだけど、これはデザイナーにはできないよね。

長谷川:うんうん。

加賀美:だからファッションがアーティストと絡みたがるのはそこなんじゃない。そこが欲しいっていう。俺はもう自分がアーティストだから、全然関係ないっていうかさ。

長谷川:わかる。

加賀美:まあ、見てる人は、何がなんだかわかんないと思うけどね(笑)。

フイナム:〈セパパス〉って、どういう年齢層の人が買ってるんですかね?

加賀美:どうなんだろう。

長谷川:なんかいろんな人が買ってそうな気がするよね。年齢問わず。

加賀美:そうなのかな。けど、この話をいただいたときも、とにかく普通の服を作ろうと思ったの。ロゴが入ってて、そのロゴがずっとあるというか、ロゴだけで生きていけるぐらいな感じにしたかったんだよね。だからパッと見はシンプルなんだけど、なんかジワジワくる感じというか。なんでロゴは中心からズレてるんだろうとかさ(笑)。

フイナム:このズレがいいですよね。

加賀美:別にコンセプトもないし、なるべく普段着れるスウェットとかシャツを作るようにしてるんだけど、難しいね、洋服って。そもそも俺が、服はなんでもいいからね。俺みたいな人が服をデザインすること自体が、ナンセンスだから。

長谷川:ファッションってさ、最初は派手なものが注目されがちじゃない。でもずっとやってると、だんだん地味な方が好きになってくるところがあると思うんだよね。とくに裏側を知り始めると、どんどんそっちの方に行く傾向があって。地味だから面白いんだけどね。

加賀美:本当だよね。俺もそう思う。

フイナム:せっかく高いものを買うんだったら地味な方がいいって、前に言ってましたよね。

長谷川:うん。けど世の中のお金持ちの人は高いお金を出して買うんだから、派手というか、このブランドだってわかるものの方がいいんだよね。

加賀美:まぁそうだよね。俺もお金持ちになったらそういう感覚になるのかな、、いやならないな(笑)。

フイナム:加賀美さんって、過去に高い服を買ったこととかあるんですか? これ10万円したな、とか。

加賀美:いや、10万円はないね。全然高い服買わない。

長谷川:俺はたまに買うんだけど、結局全然着ないんだよね。そういうブランドと精神性が合ってないんだと思う。

加賀美:主張があると難しいよね。

長谷川:けど〈セパパス〉のは着れると思った。なんでなんだろう。たぶん、よくわかんないからいいんだろうね。

加賀美:そうだね。俺もやっててよくわかってないもん(笑)。このブランド名、外国人がすごい食いつくよ。「Oh Nice!」みたいな(笑)

フイナム:SEPARATE BATH & TOILETっていう名前はパッと出たんですか?

加賀美:そうだね。まずブランド名に“&”をつけたかったの。〈DEAN &DELUCA〉とか〈DOLCE&GABBANA〉とか(笑)。&をつけたら残るなって思って。

長谷川:本当?(笑)

加賀美:なんとなく直感でね。なんとか&なんとかだからさ、風呂とトイレが分かれてるのって何ていうんだろうって調べたらこれだったの。けど、和製英語だったらちょっとダサいなと思ってアメリカの不動産屋を調べたら、普通にSEPARATE BATH & TOILETって書いてたからこれならいいかなって。「TOILET」って入ってるのがいいなって思って。

長谷川:うんうん。「TOILET」っていう綴りって、なんかすごいおしゃれだよね。

加賀美:そう。で、外国人が見ても笑うし、よかったなって(笑)。

長谷川:でもさ、外国人でも風呂とトイレは別であってほしい、っていう人って絶対いるよね。

フイナム:ですよね。

加賀美:やっぱり外国人ってあんまり風呂入らないじゃん。だから風呂の優先順位が低いんだろうね。日本人ってやっぱり綺麗好きだからさ。

フイナム:たしかに。

加賀美:ちょっといい家賃払わないと別にならないわけだし。

長谷川:ちょっとラグジュアリーってことだもんね(笑)。

加賀美:ブランドの名前ってさ、調べたらなんかすごい哲学的な意味だったりとかするの多いじゃない。

長谷川:あー、あるある。

加賀美:それがすごい嫌だったのね。極力意味がないのがよくて、&がついてるやつにしたかったの。〈CHAGE & ASKA〉とかいいなって(笑)

長谷川:笑

加賀美:ハセガワくんも、いつもいい名前つけるよね。読めないんだけど。意味あるの?って。お店(andreM hoffwann)の名前とか。

長谷川:あれはahを当て字にしてるんだよね。

加賀美:あー、なるほど。こないだ始めたブランドは何て読むの?

長谷川:あれはカウラム(CAHLUMN)。

加賀美:読めないね(笑)。

セパバスとA.H

日時:2023年7月16日(日)
会場:andreM hoffwann
住所:東京都台東区鳥越2-3-4 3F
営業:12:00~
各30セット限定(XLサイズのみ)
※応募者多数の場合は抽選となります。
※お一人様いずれか1セットのみご購入頂けます。
※購入者様限定、ご購入いただいた商品に500円でスペシャルなハンコ押せます。

INFORMATION

SEPARATE BATH & TOILET sepabath.com

STAFF

Direction&Styling_Akio Hasegawa
Photo_Seishi Shirakawa
Hair_Kenichi Yaguchi
Edit_Ryo Komuta、Shun Koda

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