about POLO RALPH LAUREN「POLO COUNTRY」
数ある〈POLO RALPH LAUREN〉のレーベルのなかで、80年代後半から90年代初頭のわずかな期間のみ製造されたライン。カントリー的なアプローチとプリミティブな“ラルフ ローレン感”にファン多数。今秋冬から本格的に再始動。

多くのブランドに影響を与えただろう「POLO COUNTRY」のタグ。AUTHENTICというフレーズがあるように、まさにオーセンティックなデザイン、佇まい。



〈POLO RALPH LAUREN〉「POLO COUNTRY」DENIM JACKET¥42,900、「POLO COUNTRY」OVER ALL ¥49,500、〈POLO RALPH LAUREN〉HOODIE ¥38,500、CAP ¥13,200(RALPH LAUREN)

フイナム:今回は〈POLO RALPH LAUREN〉内のレーベル「POLO COUNTRY」の話なんですが、新潟市にあるワイナリー「CAVE D’OCCI(カーブドッチ)」で撮影させてもらいました。すごく素敵なところですね。

長谷川:ね。いいよね。

デニムジャケットの裏地からチラリとのぞく、赤黒のバッファローチェックが気分を盛り上げる。オーバーオールとのデニム×デニムの合わせも、加工のせいかほどよいラギッド感に。〈POLO RALPH LAUREN〉「POLO COUNTRY」DENIM JACKET¥56,100、「POLO COUNTRY」OVER ALL ¥49,500、〈POLO RALPH LAUREN〉HOODIE ¥36,300、CAP ¥13,200(RALPH LAUREN)



フイナム:「POLO COUNTRY」ってあんまり情報がWEBに出てないんですよね。ただ調べたところによると、80年代後半から90年代初頭にかけて、3〜4年しか作られてなかったレーベルみたいです。〈POLO RALPH LAUREN〉のなかのカテゴリーのひとつではあるんですが、レーベルというよりも、ある種のコンセプトみたいなものだったらしいです。ラルフさんが好きなウエスタンとか、カントリー的なものを形にしたような。この場所にすごく合ってる気がします。

長谷川:ここは「CAVE D’OCCI」のなかにあるレストラン「薪小屋」。カール・ベンクスさんという、ドイツ生まれの建築家が作ったらしいんだけど、古い日本家屋の柱とかを解体して、ヨーロッパの田舎っぽい建物を作るっていうのがいいなって思った。客席の梁とか柱には、お寺の部材を使っているみたい。だから和の雰囲気がすごくあるよね。

フイナム:たしかに。「薪小屋」もよかったですし「CAVE D’OCCI」全体もすごく素敵ですよね。1992年から葡萄作りを始めてこの場所でワインを製造しているワイナリーで、最初は卸しを行わずにここだけで販売していたみたいです。今ではちょこっと他の場所でも買えるようにはなったみたいですが、それでも貴重ですよね。

長谷川:ここに来たら、絶対買って帰りたいよね。

フイナム:はい。試飲もできますし。宿泊もできるので、ゆっくりワインを楽しむには最高だと思います。

メンズとウィメンズではタグの表記が異なる。ウィメンズは「RALPH LAUREN COUNTRY」。

フイナム:「POLO COUNTRY」の服に付いている緑のタグ、いつ認識したか覚えてますか?

長谷川:たしか当時の『POPEYE』のメッケ隊のコーナーとかで最初に見たような気がするんだよね。お店だと「MADE IN WORLD」とか「Labrador Retriever」にもあったと思う。今思うと、あの時代のお店ってすごくかっこよかったな。「PROPELLER」に入ったときの〈Barbour〉の匂いとか、なんかそういうことを秋になると思い出すんだよね(笑)。

フイナム:オイルの匂いというか。

長谷川:そういう店づくりも含めて、服を魅せるっていうところがあったよね。だから他の店と同じものを並べててもそのお店のイメージになる、みたいなことってあると思う。〈RALPH LAUREN〉の世界観っていうのは、そういうお店にも影響を与えただろうし、やっぱりすごいよね。ただものを売ってるだけじゃないっていうか。

フイナム:スタイルを売ってるということですよね。

長谷川:そうだね。おそらく売れているのってポロ シャツとかそういうものなんだろうけど、しっかりとした世界観のお店があることで、それがただのポロ シャツじゃなくなったりするわけでさ。あの馬のマークがカッコよく見えるのって、「POLO COUNTRY」とかそういうのがあったからだと思う。色々なイメージをあのロゴマークに集約させているというか。それってブランドの一番いい形なんだよね。

レストラン内のハム・ソーセージ工房で作られた自家製越後もちぶたのソーセージ盛り合わせ ¥2,200

越後もちぶたロース肉のグリル スモークナッツとドライフルーツのソース ¥2,750


今回は「CAVE D’OCCI」の地下の醸造所でも撮影。畑の下にこんなに広大な空間があるなんて。こうした設備を見学できるツアーも実施している。

フイナム:今回のスタイリングでは、デニムのアイテムを多く使ってます。最近、オーバーオールはとくに人気っぽいですね。

長谷川:いいよね、爽やかで。ウォッシュの加工具合がすごく良くできている。今はこういうのは環境問題でなかなか難しい時代だろうに。裏のバッファローチェックも、古着だとよく見かけるんだけど、新品でこういうのを作ってるブランドって最近あんまりないよね。あるのかな?三本針のステッチもカッコいい。

フイナム:「POLO COUNTRY」は特別、大きなサイズ感のコレクションではないですよね?

長谷川:うん。オーバーサイズで着せてるだけ。

フイナム:昔はもっと大きかったみたいですね。初期の〈RRL〉もすごい大きかったらしくて。

長谷川:そうだったね。松任谷さんも言ってた気がするけど、「POLO COUNTRY」とか〈RRL〉も当初は普通にデカい服だった記憶がある。

〈POLO RALPH LAUREN〉「POLO COUNTRY」BUFFALO CHECK JACKET¥108,900、「POLO COUNTRY」OVER ALL ¥49,500、〈POLO RALPH LAUREN〉HOODIE ¥36,300、CAP ¥13,200(RALPH LAUREN)


フイナム:こういうバッファローチェックのアウターをスタイリングで使うのって、結構久しぶりなんじゃないですか?

長谷川:そうかもね。こないだの菅付さんとの対談でも言ったけど、制約とか決まりがあるなかでコーディネイトを組むのって、楽しいなって思った。あと、今後こういうところで「POLO COUNTRY」のイベントとかやれたらいいよね。取ってつけたような感じの場所ではなく、ブランドのイメージが伝わるようなレストランみたいなところで服を見せられると、より伝わるのかなって。

フイナム:そうですね。「POLO COUNTRY」は数十年ぶりに、この秋冬からフルコレクションとして本格再始動したようなので、いろいろできるといいかもしれないですね。

長谷川:ファッションの世界って進化が大事な世界のようにされているけど、そんなことが全てじゃないと思う。〈RALPH LAUREN〉の世界観ってだいぶ昔に作られていて、もうとっくに完成されているのだから、そこをうまく表現して続けてほしいなって思うよ。

フイナム:タイムレスというか。ファッションは流行じゃないよっていうことなんでしょうね。
カーブドッチ ワイナリー
住所:新潟県新潟市西蒲区角田浜1661
電話: 0256-77-2288
薪小屋
住所:新潟県新潟市西蒲区角田浜1645
電話: 0256-70-2525
営業: 11:00〜14:00(LO)15:00 閉店