AKIO HASEGAWA. HOUYHNHNM

2019.10.3 Up
CROSS TALK

長谷川昭雄 × 南貴之

Talk03(後編)
ファッションディレクター、スタイリストの長谷川昭雄が、〈グラフペーパー〉、〈フレッシュサービス〉、「ヒビヤ セントラル マーケット」などを仕掛けるクリエイティブディレクターの南貴之と、「普通」に関してのトークを繰り広げるレギュラー対談企画。「普通」に対して思い入れの深い2人による、普通なようで普通じゃないファッション談義。

PROFILE

長谷川昭雄

ファッションディレクター、スタイリスト。様々な媒体、広告のディレクションを手がけるなか、英国の雑誌『モノクル(MONOCLE)』では創刊よりファッションページの基礎を構築。2015年にはファッションディレクターに。2012年より2018年秋までは『ポパイ』のファッションディレクターを務めた。

南貴之

〈グラフペーパー(Graphpaper)〉、〈フレッシュサービス(FreshService)〉、「ヒビヤ セントラル マーケット」など、様々なブランド、ショップを手がけ、ファッション、カルチャーにまつわるあらゆる領域を手がけるクリエイティブディレクター。「alpha.co.ltd」代表。

Cellarmate

〈セラーメイト〉密封ビン1L SIZE:φ106×H177mm ¥1,300+TAX、
密封ビン0.5L SIZE:φ102×100mm ¥1,000+TAX(ともにフレッシュサービス ヘッドクオーターズ)

南:じゃあ、ささっといけるのからいこうかな。これは日本のジャーです。超普通の。こういう蓋が付いてるジャーが結構好きで、フランスとかアメリカの、あとは古いものから新しいものまでいろいろ使ってはみたんだけど、最終的に行き着いたのがこれだったという。

長谷川:へー。

南:一番シンプルで、かつ無駄がなく、機能が素晴らしいということで。あと安い。

長谷川:こういうジャーって、海外のやつはゆるそうだよね。ちゃんとふたが閉まらなそう。

南:そうかもね。あと余計なものが入ったりしてるんだよね、ブランド名とか。なにかと主張が激しいのよ。その点これはいいでしょ。グッドデザイン賞をあげたいくらい。

長谷川:いつのデザインなんだろう、古そうだよね。

南:そこまでは掘ってなかったけど、いつだろうね。とにかくこの無駄のない感じがいいんだよね。

長谷川:取っ手がかわいいね。

南:そうそう。

長谷川:これ南くんのところで売ってるの?

南:うん。京都に俺がすごく好きなお店があって、最初にそこで見たんだよね。それからずっと使ってて、お店でも取り扱うようになって。

長谷川:俺、料理しないんだけど、サングリアとか入れればいいのかな?

南:サングリアもいいけど、コーヒー豆とかね。俺コーヒー好きだから、豆とか入れるの結構いいかなって。あとピーナッツとか。

長谷川:あー、ピーナッツいいねぇ。

南:でしょ。キッチンとかに置いておいて邪魔じゃないのがいいのよ。

長谷川:うん、わかる。

南:これぞ普通でしょ?

長谷川:うん、超普通。いいね。

THING FABRICS × FreshService

〈シング ファブリックス × フレッシュサービス〉スーピマコットンのタオルブランケット SIZE:W2100×D1600mm ¥19,000+TAX、
スーピマコットンのフェイスタオル ¥3,200+TAX、スーピマコットンのハンドタオル ¥1,600+TAX(すべてフレッシュサービス ヘッドクオーターズ)

南:次は〈シング ファブリックス〉さんと一緒に作ったタオル。カーキのタオルが欲しかったんだけど、意外とないのよ。

長谷川:確かにないね。

南:でしょ? タオルって毎日使うものじゃない、バスタオルにしても何にしても。で、よそのを使ってみて思ったんだけど、あんまりいい感じのがないのよ。ここのは“スーピマ”っていう糸を使ってるんだけど、それの等級があるの。1-1、1-2、1-3、1-4、1-5、で2-1、2-2~みたいな感じで。1-1が一番いいランクなんだけど、それはドバイとかの富豪が3回使って捨てるんだって。で、お値段何百万みたいな(笑)。

長谷川:えー、なにそれ。

南:ちなみにこれは2-2という等級。2-2は一般家庭用のものではないんだよね。ホテルとかで使われてるタオルで、2-5とからしいの。

長谷川:へー、そのわりには安いね。

南:でしょ。これは今治で作ってます。ちなみにこの色はウチ用に作ってもらいました。

長谷川:これいいね。早く教えて欲しかった。

南:白いタオルでもいいんだけど、なんかカーキのタオルがいいなって思ってて、探したけどないから作っちゃったっていうやつ。タオルケットもあるよ。

長谷川:あぁ、いいね。

南:アキオ氏は今回ハンカチを出してたけど、俺はタオル派なんだよね。汗の吸収もいいし、洗っていってもへたらないのよ。目が綺麗なんだよね。スーピマってようは超長綿なんだけど、すごく美しいんだよね。

長谷川:毛足が長いんだね。しかも両面同じような感じ。

南:みんな一回買うとこればっかりになってるよ。これは俺のなかでは、“意外とないものシリーズ”なんです。

FreshService

〈フレッシュサービス〉左下:ニッケルのキーリング ¥2,600+TAX、左上:ブラスのキーリング ¥2,600+TAX、
右:ニッケルとブラストのキーリングセット ¥2,000+TAX(すべてフレッシュサービス ヘッドクオーターズ)

南:次は機能的なやつ。俺すぐに鍵をなくすんだけど、キーホルダーが結構好きでさ。いろいろ探してるんだけど、全然いいのがなくて作っちゃいましたっていう、またそのパターン。左のやつね。これはアメリカ軍のやつをベースにしてるキーリング。

長谷川:これ、さっきから気になってたんだよね。

南:グッと押して、開けるだけ。簡単でしょ。これは神戸の「キャンディーデザイン」さんと一緒に作っているものです。で、右の鍵についてるDカンっぽいやつが、今回一番プレゼンしたいものです。

長谷川:これはなんなの?

南:鍵とかをまとめるやつ。二重の円(以下、◎)になってるキーリングってあるじゃない。あれがすごく嫌いでさ。爪が割れたこともあるし。あれをなくすためにつくったやつ。あとはウォレットチェーンを使うときも、これをベルトループに通せば、ループができちゃうので便利だよ。

長谷川:なるほどね。

南:4個セットになってるんだけど、ミニマリストはこのDカンっぽいやつに鍵だけつけて、それでいいっていうひともいるね。

長谷川:これ小さくていいね。◎のキーリングって、でかくて邪魔なんだよね。(自分の鍵につけてみて、、)あぁ、いいね。

南:楽でしょ? ◎のキーリングは見た目もあんまりよくないしさ。せっかくかわいいキーホルダー使ってるのになー、みたいなさ。

長谷川:うん、あるある。

南:これ、あげるよ。

長谷川:え、まじで? うれしい。

南:大事なのは意外とこういうところだと思うんだよね。

長谷川:ほんとそうなんだよね。いつもキーホルダーを新調するたびに思ってたんだけど、置いたときに◎が邪魔でさ。美しくない。

南:そうでしょ? 開け方もめんどくさいしさ。これは着脱も楽なわけ。これ、陰のヒット商品です。

長谷川:これをつくってたのはどういう人なの?

南:元々はグラフィックとかをやってる人で、こういうのを可愛く作ってるんだよね。オリジナルの刻印も入れられるし、一緒にできるよって言われて作ってみたら、俺たちはキーホルダー屋か!っていうくらい売れて。意外と盲点だと思うんだよね、これ。

長谷川:うん、これ最高。小さいのがいいよ。

南:まとまりがいいでしょ?

長谷川:そうだね。

南:鍵が増えても簡単に入れられるしね。

長谷川:なるほど。円形よりもDの形の方がいいんだね。

南:そうなのよ。アイデア次第でいろんなところに使えると思うんだよね。あと、こういうのプレゼントされたらよくない?

長谷川:そうだね。気が利いてる。

南:そんなに高くないしさ。

長谷川:ハンカチのときにも話したけど、こういうちょっとしたところが美しい方がいいよね。

南:そうなんだよ。自己満なんだけどね。

長谷川:それが大事だよ。

LOOPWHEELERxFreshService

ループウィラー × フレッシュサービス〉スウェット地のコーチジャケット ¥42,000+TAX(フレッシュサービス ヘッドクオーターズ)、
Tシャツ、パンツは私物

南:服も出しておこうかなということで、これは〈ループウィラー〉と一緒に作ったコーチジャケット。〈フレッシュサービス〉って架空の運送会社っていうコンセプトなので、コーチジャケットなんだけど、それをスエットで作ったっていう。いつもは無地で作るんだけど、〈フレッシュサービス〉の場合は、制服みたいなコンセプトなので、わざとプリントを入れて運送屋みたいな感じにしてます。サイズ感はけっこうでかめ。

長谷川:うん、でかいね。

南:けっこう薄めで、オールシーズン使えるようにしてます。

長谷川:着やすくていいよね、こういうの。

南:そうでしょ? あとスエットだから洗えるし。普通のコーチジャケットはナイロンなんだけど、それをスエットに置き換えてみました。

長谷川:ナイロンのは着心地が悪いよね。あとシャカシャカうるさい(笑)。

南:まぁ、あの安っぽい感じもいいんだけどさ。

長谷川:うんうん。

南:それをちゃんと作るとこうなりますよ、っていう。

長谷川:俺、裏がパイル地のものが好きなんだよね。気持ちいいから。けど、意外と裏がパイルのってないのよ。表がパイルになってて。

南:わかる(笑)。

長谷川:これはその点いいね。気持ちいい。お風呂上がりに着たいぐらい。ていうか、この色って流行ってるのかな?

南:いや、〈フレッシュサービス〉はカーキがテーマみたいなところあるからさ。

長谷川:そっか。流行ってはいないか。でもすごくいいと思う。

南:でもこれからカーキを押していこうよ。

長谷川:うん、そうしよう。秋にいいよね、この色。

Graphpaper

グラフペーパー〉ブロード地のボタンダウンシャツ ¥25,000+TAX(グラフペーパー)、Tシャツ、パンツは私物

南:このシャツは毎シーズン作ってるんだけど、トーマスメイソンの生地を使ったBDシャツ。今まではストライプで作ってたんだけど、それを今回は無地で初めて作ってみました。

長谷川:へー、無地は初めてなんだ?

南:そう。このシャツすごく人気だから、みんなストライプが欲しいのかもしれないけど、そこをあえて裏切って無地で作ってみました、俺が着たいから(笑)。80年代の〈ラルフローレン〉のビッグBDとかあるじゃない。あの辺をイメージして、いろいろな要素をミックスして作ってます。で、肩が落ちる感じで少し大きめにして。でも、もうこのくらいじゃ、あんまり大きいって感じしないけどね。

長谷川:うんうん。なんかブロードのシャツって素敵だよね。

南:BDシャツって、オックスフォードで作ることが多いと思うんだけど、〈ラルフローレン〉っていろんな生地で作ってたじゃない。

長谷川:そうだね。

南:そんななかで、イギリスの生地でアメリカ的であるBDシャツを作るっていうこの組み合わせが好きで。縫ってる工場もすごく良くて、運針が綺麗なのよ。それは「レショップ」の金子さんにも言われた。

長谷川:あぁ、一緒にシャツ作ってるもんね。

南:そうそう。あとは俺みたいな体型じゃなくて、痩せてる人が着ても肩が綺麗に落ちるように作ってるので、その辺がいろんな人が着てくれてる理由なのかな、って。

長谷川:このポケットがいいよね。

南:え、なに?(笑)

長谷川:いや、ちゃんとしたドレスシャツってポケットがないじゃない。あるほうがよりカジュアルな証になるんだけど、アメリカのBDシャツにポケットがあることで、そこにロマンを感じるんだよね。ポケットがついてることで、ワークウェア的なものを象徴している気がして、なんか好きなんだよね。

南:なるほど、そういうことね。確かにBDってカジュアルのシャツなんだけど、それをドレスの工場で縫ってるっていうのがいいんだよね。一時期、BDはいいかなっていう気持ちになってたんだけど、最近またいいなって思うようになってきて。アメカジ回帰っていうことでもなくて、前とはまた違った感覚なんだけどね。少し綺麗めにそのへんの服をこなしたら、面白いかなと思ってます。

長谷川:うんうん。

南:あとはネルシャツなんだけど、ものすごく上質な生地で作るとかさ。ハイとローをミックスするのが好きなんだよね。

ofr

バッグは私物、〈ヘインズ〉ユーズドのスウェットシャツ SIZE:3X ¥9,000+TAX(談話室とAH.H)

南:最後はバッグね。これはパリの「ofr」っていう有名な本屋さんがあって。

長谷川:これ、文字が書いてある状態で売ってるの?

南:そう。たぶんお店の人が書いてると思うんだよね。

長谷川:かわいいね、これ。

南:そこの本屋好きで、Tシャツとかよく買ってたんだけど、あるときバッグを見つけてさ。

長谷川:色もいいよね。

南:そう。あとこのツイル素材も、めっちゃいいのよ。手描きの感じも超センスいい!って思って。

長谷川:これ、OD(オリーブドラブ)に合うね。

南:合うよ(笑)。で、なかを見ると「ERA」って書いてあって、まだ調べてないんだけど、これがボディだったらすごくいいなって。あんまり最近トートバッグって欲しくなかったんだけど、これはもう見つけた瞬間にいいなって。

長谷川:うん、これくらいしっかりしてるほうが新鮮だよね。

南:そう。あとはこの適当さもいいなって。この文字、プリントじゃなくて、サインペンとかで書いただけでしょ。

長谷川:うん、かわいい。

南:めちゃ普通なんだけど、これけっこうグッドセンスかなと。

長谷川:取っ手が二つあるのが面白いね。

南:そうそう。

長谷川:一つでよくない?っていう(笑)。でも、女の人ってこれにも付いてるような、短い取っ手が好きみたいね。その方がかわいく見えるんだって。

INFORMATION

フレッシュサービス ヘッドクオーターズ 03-5775-4755
グラフペーパー 03-6418-9402
談話室とAH.H (アルファ PR)03-5413-3546

STAFF

Direction&Styling&Text_Akio Hasegawa
Photo_Seishi Shirakawa

Hair_Yutaka Kodashiro
Edit_Ryo Komuta

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