服はただの物ではない。肌の一部のようなものであり、自分の意思や思想が詰まった身体の一部でもある。だから普段、服装に無頓着な人でさえ、いつもの自分と違う服を与えられると、抵抗感を持つ。
毎朝起きて、服のことを考えるのが面倒くさいというのもあるけど、それ以上に自分らしくいるために、いつもほとんど同じ服装をしていたいという気持ちの方が強いように思う。シルエット、色、デザイン、全てがほとんど同じであることで気分が落ち着く。
一方でたまには違う服を着たいと思うこともある。でもいつもと違うときでさえ、どこか自分らしさが残っていたいし、自分の服は自分でしか考えられない以上は、自分らしさが残ってしまうものだ。
〈SEPARATE BATH & TOILET〉CHINTZ FŪ COAT ¥33,000(SEPARATE BATH & TOILET)
これは、カガミケンくんに以前いただいた〈SEPARATE BATH & TOILET〉のエナメルのコート。意外と思われるかもしれないが、これに一目惚れした。全く違う素材なのだが、映画『SEVEN』の劇中で、犯人がついに姿を現すときに着ていたコートが、逆光を浴びて僅かに透けていたのを今でも覚えていて、どこかあの様子に近い怪しさをこのコートに感じた。少し雨の降る夜に、これを着て出かけたい。でもこれを着ている姿を見た友人はきっとびっくりすることだろう。そう思うとなかなか着て出かけられない。
〈MLE 坂本龍一〉「B-2 UNIT」Crew Neck Sweater ¥39,600(メディコム・トイ)
セーターは、大阪で行われていた坂本龍一展「sakamotocommon OSAKA」でオーダーして購入したもの。ある時、教授の関係者が集まる飲み会のようなイベントに伺った際に、ディレクターの方がこれを着ていて、ヤバい!と思っていたのだった。これはそれから数ヶ月経ったのち、大阪で予約し、そこからまた数ヶ月したある日に手元へ届いたセーター。顔がプリントされたTシャツはあったとしても、セーターはなかなかないだろう。
〈eye c u〉NRT BK100 (FULL BLACK) ¥14,300(eye c u)
サングラスは〈PHINGERIN〉のデザイナーである小林くんがやっているサングラスブランド〈eye c u〉。僕は打ち合わせがあるたびにルノアールに行くのだが、小林くんもいつもそこで仕事をしているそうで、よくばったり会うことが多い。このサングラスはあるとき、彼がくれたもの。僕は大抵、サングラスでもメガネでも、ウェイファーラーやウエリントン型か、ボストン型しか買うことはない。それはまるで自分の骨格の一部のように、その方が気持ちに馴染むから。だからもしサングラスで変装しようとしたとしても、種類が同じだからバレてしまうだろう。たまには違うものを付けなきゃ変装もできない。以前から彼のサングラスはたまにかけていて、気分転換に使わせてもらっていたのだが、新型が登場した。型は5種類あって、どれもオリジナリティあるデザイン。色はマットブラック、クリア、ツヤありブラックなど。同じ型であっても、季節や気分で変えるといつもの自分とは違う人物になれて、新鮮な気持ちになれる。
〈CAHLUMN〉9.5oz アメリカンコットン セルビッチデニムパンツ ¥49,500(CAHLUMN STORE)、〈RED WING〉ポストマン オックスフォード ¥55,550(RED WING JAPAN)