AKIO HASEGAWA. HOUYHNHNM

2022.11.27 Up
Style of Authentic

普通の服、
普通のスタイル。

Case 92
佐渡島で、
おいしい食事と
自然派ワイン。
美味しいものを求めて
全国津々浦々
今日はどこに行こう?

少し前に『POPEYE』の取材で、京都の「DUPREE」に伺った。その日は、これからイベントがあるということで、外国人のゲストの方がいらっしゃっていて、スタッフの皆さんと、腹ごしらえのランチを楽しんでいるところだった。そのとき、無知な僕は呑気に過ごしていたのだけど、その日のゲストの方こそが、数々の伝説的なナチュラルワインを世に送り出した醸造家、ジャン・マルクさん。美味すぎるワインを作る存在として、ナチュラルワインを扱うお店の人なら知らない人はいない。その日はジャンさんが作った「くまコーラ」という人気のワインを販売するイベントだったのだ。ジャンさんをナチュラルワイン界のマイケル・ジョーダンだとしたら、言ってみれば「くまコーラ」は「エア ジョーダン」。当然そのイベントでも即完売だったようだった。

その後、ジャンさんのことが気になって調べてみたときに、佐渡島にレストランがあることがわかって、僕はピンと来た。実はずっと、新潟に住む友達から、その島に行くと美味しいご飯が食べられるから来た方がいいと誘われていたからだ。新潟から船で2時間。日本の一番端っこで、新鮮で美味しい食材を満喫できるのだ。自然派のワインとともに味わいたい。

about La Barque de Dionysos

新潟から2時間、フェリーに乗って、遥々やってきた佐渡島。船着場から車で2〜30分行くと、このレストランにたどり着く。店の名は、「ラ・バルク・ドゥ・ディオニゾス」。2014年3月にオープンした。元々は呉服屋さんで、そのあと洋品店だったという建物を使っている。目の前は海。何もなくて静かな街並みを歩いていると、なぜか昔行ったイギリスの田舎町を思い出した。少し寂しげで哀愁があって、なんか落ち着くのだ。オーナーである聡美さんが気に入ったのは、お店から海が見えて、なおかつ裏通りにあるという点。このあたりは昔の宿場町で、この建物も町屋づくりになっていて、蔵が中にあるつくりなのだ。

カウンターに貼ってあった、「くまコーラ」のエチケット。このイラストは、イラストレーターでもなんでもない、知り合いが描いてくれているという。毎年似たような熊だけど、描き下ろしていただいているのは、同じ味のワインは毎年作れないからという思いから。でも、今年は葡萄が買い付けられなかったので、残念ながら作れないとのこと。「くまコーラ」は札幌の「藤野ワイナリー」とご縁があって、共同で作り始めたスパークリングワイン。名前の由来は、気軽に飲めるものを作りたいという思いがあって、発泡性の飲料でみんなが知ってるものということから。また、北海道の葡萄を使っていることから、北海道といえば「くま」、そしてジャン・マルクもあだなで「くま」と呼ばれてるため。

〈COMOLI〉CASHMERE TRACK JACKET ¥198,000(WAG, Inc.)、〈HIDEAKI ANNO EXHIBITION〉T-SHIRT ¥3,850(HIDEAKI ANNO EXHIBITION)、〈STACKS BOOKSTORE〉WATCH CAP ¥5,000(STACKS BOOKSTORE)

この日はまだ10月。聡美さんが料理に合う、美味しい料理とワインをお勧めしてくれた。「佐渡島は絶対に冬がいい」という。理由は、食べ物もお酒も美味しいから。日本海側最大の島である佐渡島は、東京23区の約1.5倍。美味しい野菜やフルーツ、鮮魚がいろいろ採れるのだけど、生産量が少なく、島外で流通する数が少ないのでとても貴重。それはお酒にも言えるそう。この島は新潟同様に日本酒文化が根付いていて、蔵元が5軒もあるけれど、小さな蔵はほぼ島内消費。島外にはほとんど卸していないそうだ。寒くなったら、日本酒も悪くない。

about T-SHIRT

〈HIDEAKI ANNO EXHIBITION〉T-SHIRT ¥4,180(HIDEAKI ANNO EXHIBITION)、〈BODHI〉COTTON CASHMERE THERMAL T-SHIRT ¥38,500(alpha PR)

佐渡島行きのフェリー乗り場のすぐ横で開催されていた「庵野秀明展」。東京でも行ったけど、新潟で出くわしたら、入らない理由はない。そこで買ったのが、このTシャツ。東京では売っていなかったアイテムもあったような気がする。2023年1月9日まで開催。

about DISHES

南蛮エビのアヒージョ
佐渡島の甘海老は南蛮エビと呼ばれる。ニンニクとオリーブオイルでゆっくりと炒めて。このサイズでも、頭まで全部食べられる。

料理は、旬のものを使った5品のコースメニューのみ。2週間くらいでだいたい変わっていく。佐渡は島だけに、メインはお魚であることがほとんど。野菜はお店からクルマで10分くらい離れたところにある、9a(アール)くらいの広さの自社の畑で採れたものを提供するようにしているそう。器はすべて、あえて蔵にあった古いものを使っている。

畑の夏野菜のピザ
今年、畑で取れたトマトでソースを作って、ピーマン、パプリカなどを入れた、夏の名残のピザ。パンもオーガニックの酵母で作っている。

about NATURAL WINE

2018年のフランスの白ワイン「Fetembulles」。微発泡で厚みがあってやや濁りも。なのに爽やかな味わい。

ここで扱うワインはすべてナチュラルワイン。ケミカルなことを全くしていないものばかり。ボトリングのときに安定のために酸化防止剤を入れたりするワインもあるけど、それすらもしていないものばかりを揃えている。でも、佐渡島の人たちにも飲んでもらえるように、高いものだけではなく、飲みやすい価格帯のものも出すようにしているという。「ワインは知識じゃない」が聡美さんの持論。飲んでみて美味しいとなれば、そこから調べていけばいいし、好きなものを好きなように飲めばいいとのこと。味を全く覚えられない自分には神のささやきのような、ありがたいお言葉。

イカのスパイスソテー
旬である、佐渡の真イカを使った一品。新潟野菜の神楽南蛮を塩麹漬けにして調味料に。それをスパイスに使ったお皿。

ブリと原木マイタケのソテー
佐渡で獲れたブリを使った、この日のメイン料理。軽く塩麹につけていた佐渡のまいたけをバターソテーにして添えて。パラパラとかかった食用の菊がアクセントに。

味わいはしっかりしつつも心地のいい酸味が感じられる、軽やかな口当たりの「Le Hibou Coyot」。南仏のルーション地方より。

「佐渡乳業」の牛乳を使った自家製のアイスと、佐渡のトキという品種のりんごを使ったタルト。

こんな器で飲むコーヒーに、なんだかほっこりする食後。

about BOULSON

〈COMOLI〉CASHMERE TRACK JACKET ¥198,000(WAG, Inc.)

表地はカシミヤ、裏地はシルクのブルゾン。コートもいいけど、ブルゾンは気軽で、もっといい。ビッグシルエットになることで用尺が必要になるうえに、物価上昇でますます高騰する2022年のファッションにおいて、ブルゾンって今、すごくいいと思う。最近好きで、よく着ている私物。

〈COMOLI〉CASHMERE TRACK JACKET ¥198,000(WAG, Inc.)、〈HIDEAKI ANNO EXHIBITION〉T-SHIRT ¥3,850(THE NIIGATA BANDAIJIMA ART MUSEUM)、〈NAUTICA〉RIP STOP CARGO PANTS ¥17,490(NAUTICA JAPAN)、〈STACKS BOOKSTORE〉WATCH CAP ¥5,000(STACKS BOOKSTORE)、〈NEW BALANCE〉SNEAKER「M2002 RXB GORE-TEX® 」AKIO'S OWN

La Barque de Dionysos
住所:新潟県佐渡市真野新町327-1
時間:19:00~22:00
定休日:水曜日、日曜日 ※完全予約制
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庵野秀明展
会期:〜2023年1月9日(月祝)
休館:月曜日、年末年始(12/29〜1/3)
※12/26(月)、1/9(月祝)は開館
時間:10:00〜18:00(観覧券の販売は17:30まで)
会場:新潟県立万代島美術館
住所:新潟市中央区万代島5-1 朱鷺メッセ内 万代島ビル5階
https://www.annohideakiten.jp

INFORMATION

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Photo_Seishi Shirakawa
Hair_Kenichi Yaguchi
Edit_Ryo Komuta、Shun Koda

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