AKIO HASEGAWA. HOUYHNHNM

2022.9.29 Up
Style of Authentic

普通の服、
普通のスタイル。

Case 89
マックコートを着て、
神田連雀町を
散歩したくなって。
クラシックなコートを羽織ったら、
古い建物が残る
神田連雀町あたりを
散歩したくなって。

about MACKINTOSH

英国を代表する老舗ブランド、〈マッキントッシュ〉。ロンドンは雨が多いため、1823年にチャールズ・マッキントッシュが発明したゴム引きコートはブランドの代表作として知られ、現在でも数多くの名品を生み出し続けている。

池波正太郎の本に登場する老舗の飲食店が、古い建物のまま、いまでも残っている神田連雀町。まずは本にならって「藪蕎麦」へ。いつかおじいさんになったら、ここで蕎麦をすすり、昼間から一杯引っ掛ける、そんな風情を楽しめるようになりたい。その頃には、このコートがヨレヨレになって、さらにいい感じになっていて欲しい。

ファッション業界は、毎シーズンいろいろなトレンドを打ち出すけど、僕の周りの洒落た人たちは、そんな物には見向きもしない。クラシックで地味なアイテムを、その時ごとにうまくチョイスして、いい感じに着こなしている。その様子は、時代も変わってもさほど変わらない、この街の様子と似ている。

about SHIRT&TIE

〈TURNBULL & ASSER〉SEA ISLAND QUALITY COTTON SHIRT £325(TURNBULL & ASSER、〈ASCOT〉KNIT TIE ¥11,000(BEAMS F)

コートにはスエットのセットアップを合わせるのが最近の普通だったから、あえてタイドアップして着てみたくなった。でもカチッとしすぎるよりは、刑事コロンボばりにヨレっとした感じを楽しみたい。

シャツはずいぶん前にロンドンの店で買った、〈TURNBULL & ASSER〉のもの。イギリスの人たちは、スーツの下には白いシャツよりも、ブルーのシャツを着ることが多いようだ。なかでもイギリスを代表する老舗シャツメーカーであるここのシャツは、100年以上前から続く定番。ウェブでも手に入るけど、ロンドンに行く機会があったら、実際に店に行って買ってみてほしい。そのほうが、愛着をもって大切に着られると思う。

黒いニットタイは、ドイツの〈ASCOT〉のもの。色は絶対に黒。これがネイビーじゃあダメなのだ。

about BALMACAAN COAT “DUNKELD”

“ダンケルド”という名のコート。前を開けて着た時に、いい雰囲気に見えるように設計されている。〈MACKINTOSH〉RAINTEC COTTON BALMACAAN COAT「DUNKELD」¥149,600(MACKINTOSH GINZA SIX STORE)

イギリスでは通称マックコートと呼ばれるバルマカーンコートは、おじいさんはもちろん、少年もギャルもOLも愛用する、全世界の「普通」を代表するコート。なんでもかんでもマックコートとみんなが呼ぶのだが、マックとは〈マッキントッシュ〉のこと。つまり、最も伝統的で、イギリスを代表する存在が〈マッキントッシュ〉なのである。

コートは、襟元が大事。チンストラップと一番上のボタンを留めるだけで、いい雰囲気を作れるのだ。

3シーズン使えるのは、取り外し可能なウールのライニングのおかげ。3レイヤー構造だから、梅雨時期にはレインウェアとしても機能する。

池波先生の本にも登場する『竹むら』。創業当時から変わらぬ建物がカッコいい。この日は休みだったから、また別の日に、必ず「揚げまんじゅう」を買いに来たい。そんな熱い気持ちを胸に、再訪を固く誓ったのであった。

about CAP

深いグリーンが、秋の服にうまく溶け込む〈Mercedes Anchor〉のキャップ。このところ立て続けにリリースされるここのアイテムは、どれも完成度の高いデザイン。〈Mersedes Anchor Inc.〉CAP ¥7,150(Anchor Inc.)

about TROUSERS

ワイドシルエットでソフトな肌触りの2タックのチノは、デッドストックの〈ポロ ラルフローレン〉。“made in USA”に惹かれて、代々木八幡の「オキドキ」で購入した。色は茄子紺。コートのベージュとも相性がいい。足元は、夏によく履いていた白い〈リーボック〉。靴はこういう類いの、どこにでも売ってそうな、ど定番のインラインが一番。特別な価値を持たない「普通」なアイテムは、頑張った感じがしない分、大人な雰囲気が出る。〈POLO RALPH LAUREN〉VINTAGE CHINO PANTS ¥11,000(OKIDOKI),〈REEBOK〉TRAINERS「WORKOUT PLUS」¥13,200(REEBOK)

ここも池波先生の本に登場する「いせ源」。アンコウ鍋の店。クラシックな佇まいにシビれる。「藪蕎麦」で盛り上がったあと、ここでみんなで食事を楽しむなんて、一回、やってみたいなぁ。

続いては、夏目漱石も食べたという「洋風かき揚げ」を求めて「松榮亭」へ。

行ってみたけど、どうやら長いおやすみの様子。いつか食べてみたいなぁ。

名代あんこう鍋 神田いせ源
住所:千代田区神田須田町1-11-1
電話:03-3251-1229
時間:11:30〜14:00(L.O.13:30)、17:00〜22:00(L.O.21:00)
定休日:無休(4〜10月は日・祝・月休、年末年始を除く)
※10月1日(土)より営業再開
https://isegen.com

INFORMATION

マッキントッシュ ギンザシックス店 03-6264-5994
www.mackintosh.com
Reebok reebok.jp
OKIDOKI 03-6407-8525
BEAMS F 03-3470-3946
TURNBULL&ASSER turnbullandasser.co.uk
Anchor Inc. anchorinc.net

STAFF

Direction&Styling&Text_Akio Hasegawa
Photo_Seishi Shirakawa
Hair_Kenichi Yaguchi
Edit_Ryo Komuta、Shun Koda

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