about GARMENT DYEING TURTLENECK SWEAT SHIRT
そろそろアウターがなくても大丈夫なくらい、暖かくなってきた。とはいえ、夜になると寒いから、〈ロサンゼルス アパレル〉の14オンスのスエットシャツがちょうどいい。なかでもガーメントダイを施したシリーズは、洗って乾燥機に突っ込むと、表面の色が褪せて、どんどんいい雰囲気になっていく。クレーム対応に敏感になっている最近のアパレル業界では、経年変化はなかなか楽しめなくなってしまった。けど、こういう服の方が、僕は断然好きだ。
ここのスエットの多くは、アメリカものの服によくある、オープンエンドと呼ばれる糸でできている。空気で撚りながら紡績されるそれは、なかに空洞ができ、ドライでガサガサした肌触りに仕上がる。そのため、他の糸と比べると、吸湿即乾性が高いそうだ。生地にもボリュームが出やすく、洗うことで表面にはさらに凹凸が生まれ、ゴワッとした着心地になることから、デカいサイズを好む人には最適な生地であるとも言えるのだ。ここにガーメントダイという後染め加工を施すと、洗い込むほどにアタリが出て、表面の色が削り取られ、さらに味わい深い服へと進化していくのだ。
about GARMENT DYEING SWEAT SHIRT AND SWEAT PANTS
スエットのゴツゴツした表面感をさらに際立たせてくれるのがガーメントダイ。そういえばこの前、見学させてもらった墨田区の染工場のおじさんも「ガーメントダイとオープンエンドの組み合わせは最高です」と言っていた。きれいに紡績されている上質な糸で作られた、ツルッとした表面感を持つシルクのようなコットン生地は、寝るときには快適なんだけど、僕は部屋でしか着ない。外で着るならゴツゴツしていた方が汗も吸うし、扱いやすい。それに、どんな人にでも合うと思う。肌がシワだらけのおじさんもニキビだらけの少年も、ピチピチのかわいい女の子も。
about PIGMENT DYEING SWEAT HOODIE AND SWEAT PANTS
USAメイドのボディに〈バル〉があれこれ手を加えたスエットフーディのセットアップ。展示会でオーダーして、少し前に届いて以来、気に入ってよく着ている。〈ロスアパ(ロサンゼルス アパレル)〉のように、フード部分に紐が付いていないところが最高だし、肉厚な生地感もすごくいい。でもそこにはない染め方で、少し前にも紹介したピグメントダイを施してある。もともと高価そうな肉厚のボディに、工賃の高い染め加工。でもその分、風合いが前面に出ていてすごくいい。かれこれ3週間くらい着続けた数日前のある日、ん? でも、あれ、これって、と思ってよく見比べてみたら、ボディは〈ロスアパ〉? 日本で独自に染め、刺繍を施したのでは? もしそうだとしたら、彼らも信頼を寄せるほど、やっぱりここのボディはいいということ。そして気づかせないほどイケてる加工を施すアイディアには脱帽。さすがだなぁ。