夏に着るブラウンは最高だった。でも秋に着るブラウンもやっぱりいい。こうした黄土色やオークルと呼ばれるような明るいトーンの枯葉色も混ぜてレイヤードさせると、より良くなる。いつだって着たい服は、シンプルで普通なデザイン。だからこそ、サイズや色で楽しみたくなる。
〈CAHLUMN〉オーガニック超長綿のリバーシブルTシャツ¥16,500(お茶の水、寺町三条の店舗のみでの取り扱い商品となります)、肩にかけたフレンチリネンの長袖Tシャツ ¥33,000(CAHLUMN)
これは、アメリカに住む、伝説のコットンの研究者である、サリー・フォックスさんが交配させたコットンを、大阪の紡績会社がサポートし、開発したフォックス・ブラウンと呼ばれる綿糸でできたTシャツ。ふわっともちっとした最高の感触は、今まで出会ってきたどんなコットンのTシャツよりも明らかに心地良い。史上最高の着心地と言っても過言ではないだろう。化繊でできた最新素材の服もあるけど、やっぱり温故知新。人間がずっと向き合ってきた、自然のなかで育った天然のコットンこそが、安らぎを与えてくれると僕は思う。だから僕はこれを、寝るときにも着ている。よく眠れておすすめだ。
天然の優しい茶色が、まだ残る、焼けた肌によく馴染む。これから訪れる、紅葉の季節にもきっと美しく映える。街で目立つよりも、季節ごとに変わる街並みに溶け込み、その季節らしい服装でいたい。肌寒くなって、秋めいては来たけれど、まだ暑いときもあるから半袖Tシャツは欠かせない。それに、どうせまた来年も着るのだから、Tシャツはどんな季節にも買ってもいいのだ。
ちなみに、このTシャツは洗って乾燥機にかけてもほとんど縮まない。なぜかはわからない。少しは目が詰まる感じはあるのだが、しなやかで柔らかでもちもちとした肌触りが永遠に続くのだ。
〈Polo Ralph Lauren〉リネンチェックトラウザー ¥50,600(RALPH LAUREN)、〈ENGINEERED GARMENTS + Tricker's〉フルブローグギブソンシューズ ¥132,000(ENGINEERED GARMENTS)、ソックス私物
合わせているのは〈Polo Ralph Lauren〉のリネンのチェックトラウザーズ。化繊でできた服は、とにかく安いから、世の中にたくさんある。でも、ツルッとしている分、安っぽさは避けられない。天然素材の自然なシワには、化繊には作れない趣きと高級感がある。京都の寺の庭を見て、なんかいいなぁと思う感じと同じようなもの。都会のビルの中に作られた中庭なんか見たって気が紛れないのと同じように、バリッとした化繊の服を着たところで、仲間への愛や明日への活力は生まれない。シルエットは〈Polo Ralph Lauren〉の2タックチノと同じようにゆったり、太い。このシルエットこそがラルフ・ローレンであるし、これこそが今の気分。細いパンツはまだ穿けない。
シューズはロンドンで購入した〈ENGINEERED GARMENTS + Tricker's〉のフルブローグギブソンシューズ。かつてはスニーカーを200足以上は所有するほど愛していたが、今は革靴を履きたい気分。
この靴はアウトソールにビブラム社の「morflex sole」を使用していて、ふわっと優しい履き心地。ブリティッシュな革靴らしいルックスでありながら、スニーカーのようなクッションで履くことができる。めっちゃ軽くて、快適な一足。