普通の髪型。

このヘアを作ったのは「駿河台矢口」店主の矢口憲一さん。

「ツーブロックにはしたくないって言う人がたまにいるけど、その気持ち、すごくわかるよ。ガリっと上の方までバリカンで刈り上がってるのは、ちょっと抵抗を感じる人もいるかもしれないよね。ただ、良い点もたくさんある。たとえば日本人のハチの張りを隠せたり、髪を長く伸ばしてちょっとセクシーな雰囲気を保ちたいって人でも、サイドをカットすることで爽やかな清潔感をプラスできたり。いろいろな要望を一度に叶えられるのがいいんだよね。

頭の形に合わせてハチまでバリっと刈り上げずに、タイトに抑えたいアンダーセクションのみをハサミでナチュラルに刈り上げてみた。トップの重みを大事に、チャラくないナチュラルな質感のツーブロックを目指して。彼の髪には全体的に柔らかい癖があるから、それを活かす長さを残したのも大事なポイントだね」

「そうして完成したのが前下がりのミディアム2ブロック。男が一度は憧れる『ナチュラルでありながらカッコつけた雰囲気にも仕上げられるヘアスタイル』。昔、リバー・フェニックスとかエドワード・ファーロングがやってたやつ。クリスマスのデートとか忘年会とかってときにはちょっとオイルをつけてみたり。かきあげるたびに髪型を変化させられるから、キメた感じになりすぎず、自然な雰囲気を保てる。普通の髪型だけど、いろいろ遊べるのがいいところなんだ。

ニットキャップを被るときだって、周りを短くしているから収まりがいい。長めな印象を持つかもしれないけど、実は機能的で清潔感のあるヘアスタイルなんだよね。俺は禿げてるからできないけど」

1.前髪の長さは、かきあげた時の立ち上がり、降りた時の毛流れを意識し顔の半分が隠れる長さに設定

2.耳～リップラインにかけて、前下がりのラインを作る。

3.耳周り、襟足は刈り上げの位置を低めに設定。やりすぎず、あくまでナチュラルに最低限の2ブロックラインを作った。

4.癖の出具合を見ながら、オイルをつけた時の艶感を意識しなるべく重さを残すように質感調整をする。