文:小牟田亮
※本企画は会員制サイト「Commune H」の連載と連動しております。
数年前に雑誌『HOUYHNHNM Unplugged』の企画で、デンマークのコペンハーゲンを訪れた。ファッション、カルチャー、ライフスタイル、さまざまなものを取材したけど、とくに印象的だったのは食だった。
その辺のベーカリーで出しているバゲットの美味しさ、浅煎りで淹れられるコーヒーの瑞々しさ。「noma」みたいなファインダイニングではなくても、美味しいものが手軽に食べられる街、そんな印象。うわさ通り、物価はとても高かったけど。
コペンハーゲンと聞いてパッと思いつくのは目黒の「kabi」。シェフの安田翔平さんは彼の地の二つ星レストラン「kadeau」にて研鑽を積んでいる。
今年の春に代々木上原にオープンした「ØC tokyo」のシェフ、田井將貴さんもコペンハーゲン帰りだそう。それどころかオープン時から「kabi」のスタッフだったらしい。料理の世界も広いようで狭いのかもしれない。
日本でクレープというと、原宿のあれが頭に浮かぶ人が多いと思う。美味しいは美味しいんだけど、いろんなものが入ってそうで、最近はなんだか躊躇してしまう。「美味しいものはカラダに悪いんだ」なんていう言い回しもあるけれど、“美味しい”と“カラダにいい”が両立した料理もあるわけで、どうせならそういうものを選んで口に入れたい。
昔、サンフランシスコに行ったときに、ディナーを終えた人たちが行列をなすデカ盛りのアイスクリーム屋さんを見かけた。食後にデカ盛りアイスはアメリカ人にとっては普通のことだと、そのとき教えられた。
デカ盛りアイスを夕食後に食べきる自信はないけど、ここのクレープならいける。というか、ここのなら朝昼晩いつでも食べられる。それくらいさりげなくて、やさしい。
サードウェーブコーヒーという呼称がずいぶんと流行ったけど、今はどうなってるんだろう。もう誰も気にしてない気がする。デンマークは世界でも有数の、浅煎りスペシャリティコーヒーの先進国らしい。そんなコーヒーが成熟した国において、高い人気を誇るコーヒーショップがこの「PROLOG」。何番目のコーヒーかはわからないけど、ただただ美味しい。
ほかにも「ØC tokyo」が気になる理由はいろいろあるんだけど、これくらいにしておこうと思う。情報を食べるんじゃなく、目の前の料理にしっかり向き合うべきだと思うので。
後日、「ØC tokyo」のコース料理をいただきながら行った対談を「Commune H」にて公開中。
ØC tokyo
住所:東京都世田谷区北沢5-27-16
営業:9:00〜22:00(LO21:00 ※カフェのみの日は20:00CLOSE)
※Dinnerスケジュールはこちらから@octokyodinner
Instagram:ØC tokyo
INFO
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