about GLASS CUP
「Luft shop」を訪れて、深く共鳴した話がある。
「私たちの作るアイテムは、作家ものと並べても、大量生産のプロダクトの隣に置いても、違和感のない普通なアイテムでありたい」と言っていたことだ。家庭の食器棚には作家ものの器もあれば、大量生産の器もある。それらを並べると隔たりがあるように感じてしまう。ところが、「Luft」のオリジナルアイテムはそれを感じさせない。いや、まったく感じないと言っていい。作家ものと大量生産のプロダクト、その中間の存在のようでいて、どちらと組み合わせて使っても相性がいいのだ。普通なんだけど、ありふれたそれとは違っていて、磨かれた普通という感じする。「AH.H」がずっとテーマにしている“普通”と合致しているように思ったのだ。
その最たる例が、「Luft」の真喜志さんがデザインしたウォーターグラス。喫茶店でよく見る、あの二段グラスのディテールをブラッシュアップして、シャープなルックスに仕上がっている。そのうえ、厚すぎず薄すぎないよう調整しているため、口当たりもよく、スタッキングしても割れにくい。
実はこのアイテムは、真喜志さんが初めて手がけたコップなのだとか。それにも関わらず、上がってきたサンプルは図面通りの一発OK。何度も修正を繰り返して、完成に近づくのが常のモノ作りにおいて、異例中の異例。見た目はシンプルだけれど、技術力とデザインとしての完成度の高さに惚れ惚れする。
本展では「andreM hoffwann」のロゴ入りグラスのみを販売。文字数が多く、文字幅が狭いロゴを湾曲したグラスにプリントするのは至難の業。文字が潰れてしまうことも多いのだとか。それをクリアすべく、文字と文字の隙間に髪の毛一本分くらいのごく僅かなスペースを空けてくれたのだそう。だから、ご覧の通りロゴが潰れていない。これが完成したのは、Luftチームと「木村硝子店」の手腕以外のなにものでもない。感謝!
初日の10月7日(土)には、「Luft」の真喜志奈美さんと桶田千夏子さんによるトークショーを開催。お二人の話に耳を傾けて、より深くアイテムの魅力を知ってほしい。
about MEMO PAD
「伊藤バインダリー」は1938年創業の老舗製本会社。製本作業で培われた断裁面の美しさに惚れ込み、真喜志さんがその技術を活かすべくデザインしたのが、このドローイングパッド。紙を留めるホッチキスの針も表からは見えず、単純な造形ながら、清々しいほどシンプルさが際立っている。
台紙はダンボール古紙を原料としているため、安定感があり、書き心地もなめらか。マイクロミシン加工のミシン目で1枚1枚スパッときれいに切り離すことができ、サイズはA5の定形サイズ。切り離して手渡したりコピーしたり、使い勝手も抜群だ。
about SHELF
縦にも横にも、組み合わせ自在な箱型シェルフ「LAUAN SHELVES」。このスクエアタイプは「Luft」のショップオープンに合わせて新たに設計したもの。
着想源は、高級家具のアーカイブと、どこの家庭にも一つはあるであろうカラーボックス。双方の魅力をいいとこ取りして、チープにも、華美にもなっていない絶妙な塩梅に落ち着いている。それに加えて、ラワン合板を用いているから、重量とプライスは控えめ。ケチの付けようなんてまるでない。引っ越ししたり、インテリアの気分が変わったりしても長く愛用できる、真喜志さんの真骨頂とも言えるタイムレスなデザイン。
about CHAIR & STOOL
地元の木材への愛着や輸送のコストから、県内の木材を使うのが主流だという沖縄の家具。しかし、沖縄県産の木材は曲がっていたり、短かったり、独特な樹形のものがほとんど。だから、荒々しい雰囲気のものが多いのだけれど、「Luft」のフィルターを通したチェアは、沖縄の木材を加工し、実にモダンに仕上げられている。
座面のペーパーコードも、亜熱帯気候でも心地よく座れるためのチョイス。座ってみると涼しい風がスーッと吹き抜けて快適この上ない。読書の秋にも合う逸品だ。
持ち運びにも便利なスツールは、ソファやチェアと組み合わせたり、玄関先に置いておけば、ちょっとした腰掛けとしても使える。
about LEATHER BAG
「Luft」のデザイン哲学といえば、作り手の持ち味を活かすということ。墨田区にある〈墨田革漉〉との取り組みも例に漏れず、“薄く漉く”技術が遺憾なく発揮されている。そして、手頃な価格ながら高品質なピッグスキンに目を付け、生まれたのがこのドキュメントケース。ハンドル部分以外、ステッチが表に出ない分、シャープなルックスが際立っている。使い込むほどに味わいが増して、柔らかく、持ち主のクセなどが刻まれていく。
about BICYCLE STOPPER
車止めや側溝などを制作する「柴田コンクリート」との取り組みで、発案したのは過去に前例のないコンクリート製の自転車スタンド。置くだけで設置できる画期的な設計は、玄関先などあらゆる場所を駐輪場にすることができる。しかも、自重があるため、電動ドライバーや工事は不要。真喜志さんがイチからデザインを手がけた、このプロダクトは2015年にグッドデザイン賞も受賞している。
about SPEAKER
〈知名オーディオ〉のスピーカーは、見た目こそ重厚感があるが、動かしてみると驚くほど軽い。それはスピーカーの筐体に強化プラスチック、つまり水道管と同じ塩ビ管を使っているから。さまざまなマテリアルを試した結果、軽量で丈夫なこの素材に落ち着いた。スピーカーが上を向いているので、360度に渡り立体的なサウンドが行き届く。
イベント当日には写真の「TINA AUDIO 1.0」に加え、「TINA AUDIO 1.5」も展示されるから、じっくりと聴き比べもできる。
about OVERDYED SHOULDER BAG
〈琉球藍研究所〉の職人が一つひとつ丁寧に染色した『AH.H』オリジナルのサコッシュ。染料となる琉球藍も自社栽培されていて、それを育てるのにも途方もない時間と苦労が費やされている。淡色といっても1回だけでは染まりきらず、5回にわたって染色と乾燥を繰り返して、ようやく染め上がる。手作業のため、多少の濃淡が生まれるかもしれないが、そこは味として楽しんでほしい。
色を10回重ねて完成する濃色。化学染料では表現し得ない、琉球藍ならではの奥行きのあるグレイッシュな青に染まっている。
現在進行形の沖縄のクラフトマンシップを知ってほしいと思い、企画した『AH.H PRESENTS 沖縄の道具展』。アイテムが買えたり、オーダーできるだけでなく、先述のトークショーやTOMOのケータリングも用意するので食べたり、お酒を飲んだりして存分に楽しんでほしい。今週末はぜひ鳥越へ!
『AH.H PRESENTS 沖縄の道具展』イベント詳細
日時:
10月7日(土)13:00~19:00
(Luft トークショー17:00〜18:00)
10月8日(日)13:00~19:00
10月9日(月祝)13:00~18:00
※Luft トークショーはどなたでもご参加いただけます。人数が上限に達した場合は、入場をお断りする可能性もございますのであらかじめご了承ください。
場所:andreM hoffwann
住所:東京都台東区鳥越2-3-4 3F
Instagram:@andremhoffwann
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